ブックタイトルならやま2022年春号

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概要

ならやま2022年春号

奈良教育大学の取り組み1Teaching Together Global Citizenshipfor Sustainable Development (GC4SD)はしざきよりこ橋崎頼子たにがきとおる谷垣徹学校教育講座准教授近畿E SDコンソーシアム運営委員本学は2007年にユネスコスクールに加盟して以来、ユネスコスクール活動・ESD(持続可能な開発のための教育)の推進に取り組んでいます。「Teaching Together Global Citizenship for SustainableDevelopment(GC4SD)」は、ユネスコスクールに加盟している世界各国の教員養成大学のつながりを重視して企画・実施されたプロジェクトの一つです。本プロジェクトでは、地球市民教育(GCED)やESDに関わる教育実践を、教員養成大学の学生が国を越えて協働して開発することを通して、グローバルな資質・能力を高め、教育の新しい未来を作り上げていくことを目指しています。世界各国の11教員養成大学から108名の学生が参加し、本学からは、国語、社会、保健体育、英語の専修より14名の学生が参加しました。4名(日本から2名、海外から2名)で1つのペアを組み、本学の学生は、フィリピンのNormal UniversityとベルギーのUniversity CollegesLeuven-Limburgの学生と協働しました。2021年8月末に、本学参加学生を対象として事前研修を行い、本プロジェクト開始に向けたマインドセットや目標設定、自分たちの目指す姿や創りたい未来のビジョンを描きました。10月初めに、ユネスコ主催のキックオフミーティングがZoomで行われ、ペアとなる学生との顔合わせを行いました。その後、ペアの学生同士がインターネットでやり取りをしながら、共通のテーマで学習指導案を作成し、本学の学生は、12月~1月にかけて、近隣の小中学校での授業実践を行いました。学生が共創した授業には「気候変動について知ろう!」「より少ないプラスチックで生活するために自分たちにできることは何だろうか」「立場や視点を変えてみると?~異文化を通して考える~」「世界の不平等を無くすために私たちに何ができる?」「ジェンダー平等」などのテーマがあり、総合的な学習の時間や英語科などの授業で実践をしました。授業の中では、各国の学生から送ってもらった写真や動画を紹介したり、フィリピンとオンラインでつないだりして、小中学生に世界とのつながりを実感してもらえるような様々な工夫を取り入れていました。また、参加したある学生は、海外の学生と協働する中で「ESDは自分たちだけでなく、世界中で取り組むテーマであると実感した」と述べていました。学生たちは、海外の学生との英語でのコミュニケーションに苦戦しながらも、ペアの学生と切磋琢磨しながら学習指導案の共創に取り組み、自身の成長を実感し、達成感を得ているようでした。英語でのコミュニケーションを通した国際協働の学びと、GCED・ESDの授業づくりの学びを、同時に得ることができたようです。現在、学びの振り返りと報告書の作成を行っているところです。今後も、このような取り組みを継続していくために準備や計画をしています。上は小学校、下は中学校での授業の様子。どちらも気候変動がテーマキックオフミーティングで紹介されたプロジェクトの目標本学での事前研修の様子フィリピンの学生とZoomでやり取りした際の一場面SPRING 2022ならやま_10