ブックタイトルならやま2022年春号

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概要

ならやま2022年春号

特集理事長・学長対談宮下俊也新学長×榊裕之新理事長×加藤久雄前学長令和4年4月、国立大学法人奈良教育大学は、国立大学法人奈良国立大学機構奈良教育大学へと生まれかわります。奈良教育大学の未来について、「教育」「教師」「学び」について、新理事長、新学長、前学長に、語り合っていただきました。先生自身の原体験があるからこそ、子どもに伝わる言葉になる榊:私は、小学校、中学校、高校とで、すばらしい先生方宮下:私も、尊敬できる師に出会い続けてきました。今かに出会ったため、教師はとても大きな影響を与え得る職業であり、先生自身の考え方や姿勢次第で素晴らしい貢献ができる仕事だと、心から思っています。小学校の2年生と3年生のときの担任の先生は、絵がとても好きな方であったため、天気がいいと、「また写生に行こう」と、教室からよく連れ出してくれたりして、すごく楽しい時間を送れました。小学校4年生、5年生、6年生の担任の先生は、教員養成の大学を出たばかりの先生で、歴史と文学の素晴らしさを熱心に語る方だったんです。その方は、教室内に限らず、全身全霊で子どもと接し、野球の指導などもしてくださったので、教師って素晴らしい存在だ、大人って素晴らしいと心から感じたんですね。その二人の先生が、私の人格の大事な部分をつくってくださったと思っており、感謝しています。ら思うと、その先生ご自身が様々な体験をされていて、それをそのまま伝えてくださったのだなと。「こういうことは楽しいんだ」とか、「これが面白いんだ」とか。それから、小学校高学年の時の先生は、「算数というのは数学より難しいんだ。今は、難しいかもしれないけれど、中学校に行って、これが数学になるとすごく楽しくなるんだよ」と仰っていたことを覚えています。「もう今日は午前中、全部サッカーをやっちゃおう」とかも。それからサッカーをやって、最後まで片付けをした人には内緒でジュースを1杯ずつくださったり。それがうれしくて、そういう感動や喜びは今でもはっきり覚えているんです。榊:そういう一生の間、記憶に残る体験が、それぞれ、子どもの頃の思い出としてありますね。宮下:本学の教育の話になりますが、子どもに感動を与えSPRING 2022ならやま_2