ブックタイトルならやま2022年春号

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概要

ならやま2022年春号

クローズアップ+本学教員の研究と、研究室をそれぞれ紹介します。体育授業で子どもが笑顔にそして先生も笑顔にみやお保健体育講座宮尾なつき夏姫准教授「運動嫌いの子どもを減らしたい」。体育を専攻し教職を目指す学生が言いがちなひと言。大学3年生の私は、このひと言だけを携えて体育科教育学研究室の門戸をたたきました。とても曖昧で、抽象的なテーマしか持っていなかった当時の私は、十数年後の自分がまさか体育科教育学研究室で学生の指導に当たることになるなんて想像もしていなかったことでしょう。そして、今、体育授業について研究したい、運動指導について研究したいという志を持つゼミ生たちに向かって「具体的にどうしたいのさ?」「うーん、もっと伝わるように説明してよ」と自分が恩師に言われた言葉を口にしていて、思わず笑いそうになることもしばしば…。「すべては子どもの笑顔のために」私が学部・大学院時代に所属していた研究室のボスは、以前、この奈良教育大学で教鞭をとっておられました。奈良県の多くの先生方と共に良い体育授業を追究されました。そのボスが、いつも口にされていた言葉が「すべては子どもの笑顔のために研究・実践するんだよ」。体育科教育学の究極の目的は、「体育科教育実践の改善、より良い体育授業の実現」です。そして良い体育授業の実現が向かう先は、いつだって子どもを笑顔にすることにあります。できないことができるようになること、友達や仲間とその喜びを共有することなど、一次体験を常に提供することは体育科の大きな特徴の一つです。その分、技能差が苦手意識を持つきっかけとなり、その結果、体育授業さらには運動に対する「嫌い」を生み出してしまうことも多いわけです。体育教師教育という研究と授業がリンクする瞬間体育科教育学研究室のメンバー。定期的に誕生日をお祝いしています「運動嫌いの子どもを減らしたい」とひと言で言っても、そのアプローチは様々です。カリキュラム、指導/学習内容、指導/学習方法、教材開発、教師行動など…。私は、指導教員とのやり取りから教師教育というアプローチで上記のテーマに取り組むことにしました。特に、小学校体育授業の改善に向けた教師の学びについて、現在も研究を進めています。我が国の小学校の先生方は、全教7_SPRING 2022ならやま