ブックタイトルならやま2022年春号

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概要

ならやま2022年春号

科を担当しています。教員養成段階でも、全教科の教科内容に関する授業と、指導法に関する授業を履修して学ぶことになります。1 5回の授業×2科目(4単位およそ180時間)で小学校の体育科について学び、授業をすることになるのです。その一方で、中学校あるいは高等学校の保健体育科の教員免許状を取得するためには、およそ1,440時間(32単位)の専門的な授業を履修して学びます。小学校の教員免許状に加えて、保健体育科の教員免許状を取得するということは、それだけ体育科に関して専門的に学ぶことになります。全国の小学校教員のうち、保健体育科の教員免許状を所有している教師は、およそ7%と報告されています。つまり、多くの小学校教師は教員養成段階では体育授業に関する学びの機会が少ない状況にあります。私が担当している授業の一つ「初等教科教育法(体育)」を受講している学生さんの中にも、「私は体育の授業が苦手です」「運動が苦手なので体育授業をするのが不安です」と正直な胸の内を明かしてくれる方がいます。これは学生に限らず、同様の不安を打ち明けてくださる現職の小学校の先生に出会うことも多いのです。そうした先生方も「子どもたちは体育が好きだし、子どもたちが楽しく学ぶことのできる授業をしたいんです」という想いを持っておられます。このように「体育授業をなんとかしたい」と思いながらも「何を、どのように指導すればよいか」と困っておられる先生方の体育授業をサポートすることで、より良い体育授業実践につなげ、その結果、多くの子どもたちの笑顔あふれる授業になればとの考えから研究に取り組んでいます。そのため、私にとって研究と授業は強く関連するものであり、自分の研究テーマ「ど真ん中」の授業を担当できることを日々幸せに感じています。勉強会の様子。研究テーマについて議論は深まっているのか…??研究室の取り組み体育科教育学研究室では、冒頭で述べたように体育授業について研究したい、運動指導について研究したいという学生が所属しています。私が2021年度に着任したため、現在は3回生4名が1期生として頑張ってくれています。2021年度前期は、本を読んだり、論文を読んだり、現職の先生方の研修会に参加したりと主にインプットをメインに取り組みました。こうした取り組みの中で得た各自の疑問を研究テーマにつなげていくために、後期は、各々の問いについて先行研究を読み、議論を重ねています。加えて、後期は、これまでに開発・提案されてきた多くの教材を実際に行ってみて教材のねらいや工夫について考える勉強会も行っています。この時間は、大学院「教材開発研究」を受講する大教材研究勉強会の参加に学年や研究室は関係ありません。SPRING 2022ならやま_8