ブックタイトルならやま2022年秋号

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概要

ならやま2022年秋号

にある人と時間をかけて理解を深めていくことと似ています。多文化共生の時代にある今日、書の美に関するテーマについても、これまでとは違った見方が拓かれていくのではと期待しています。ひら学校教育と書書道は伝統文化だとよく言われますが、明治以降に西欧から入ってきた近代の芸術文化の影響も強く受けています。学校の教科の中で扱われる「書写」と「書道」にもそれが反映されています。日本の小学校・中学校では国語科の中に「書写」があり、文字を書くことの基本はこの時間に学びます。高校になると「書道」は芸術科の仲間入りをします。毛筆の表現には滲みや掠れが登場し、篆書・隷書などの古い書体や何字も連続する草書の筆跡に出会います。こうした教科の位置づけの違いは、多くの人に書は「分からない」と感じさせる要因の一つになっています。こうしたことから近年は、教科連携を視野に入れた書の鑑賞学習に力を入れています。特に国語科や社会科、芸術科で学ぶ題材は、「書かれたもの」と関係している場合が多いですから、各教科で学ぶ豊富な知見を交流させていくと、見たり読んだり感じたりする楽しさが広がっていくのではないでしょうか。ゼミ展のテーマを練るため試作を持ち寄りました。各自の研究テーマを発表し、質疑で課題を共有します。AUTUMN 2022ならやま_10