ブックタイトルならやま2022年秋号

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概要

ならやま2022年秋号

特集次世代の教師について考える奈良県次世代教員養成塾で学んだこと西谷私は自分の考えのつくり方を学んだと思います。小中高では、ひとつの答えに導くための勉強をしましたが、大学での学びは方向性が同じでも答えはひとつではなく、先生や他の学生の意見を聴きながら、自分の考えをつくり上げていきます。前期プログラムでは、グループに分かれてディスカッションをする機会が多くありました。他の高校生の意見を聴いて、自分なりの考えをつくる機会が多くあったことは、大学でも活きていると現在進行形で実感しています。寺田私は大学受験にも影響がありました。教師になりたいという思いはあっても、大学で特に何を学びたいのかはっきりとしていなかった中、自分は何を学びたいのかを考えるきっかけになりました。私は教科の学習よりも道徳教育や人権教育に興味があると気づいて、現在所属している教育学専修を受験しようと決めました。前期プログラムでは、資料や他の人の意見から自分の考えをまとめるといった大学のような形式の講座が多く、大学ではこんなふうに学べるんだという受験へのモチベーションにもつながりました。また、自分を見つめ直すという点では、前期プログラムの初回と最終回に行ったアンケートで私は教育的な経験がまだまだ少ないということに気づきました。現在は、実際に小学校に勉強を教えにいくボランティアをしています。木村私は、前期プログラムでは自分を見つめ直す時間が多かったと感じています。前期プログラムでは、教員に必要な力について学習したり、自分の取扱説明書づくりや理想の教員像について考える時間で自分のことを見つめ直したりしました。また、今年行った教育実習で小学校の図画工作の授業をしたときに、実際に教えてみると自分がつくってみて想定したところと全然違うところでつまずいていて、前期プログラム「理科のおもちゃづくり」の講座で、児童に工作をさせる際は、先生が自分でつくってみることが大切と教えてもらったことを思い出しました。竹村皆さんそれぞれに大学での学びに活きる時間になったようですね。これからの後期プログラムで学びたいこと、学んだことはありますか?西谷私はこれからいろいろな人の考えに触れていきたいと思っています。いろいろな考え方の可能性を見つけて、視野を広げていきたいと思います。後期プログラムのはじめに、これまでにどのような経験をしてきたかを振り返るディスカッションがあり、いろいろな木村寺田竹村バックグラウンドの方の意見を聴くことができたのは貴重な経験でした。大学で講義を受けることで、様々な先生の教育観に触れて、いろいろな視点や考え方を学んでいます。今後の後期プログラムでもいろいろな考え方に出会って、自分の教育観を育んでいきたいですね。後期プログラムでは3回生からテーマディスカッションがあるのですが、いろいろな経験を積んだ学生が集まり、本当にいろいろな視点から意見が聴けておもしろいです。与えられたテーマで20分のディスカッションをします。「よい先生とはどんな先生か?」という問いでは、「学習の環境を整えられる先生」「居場所を与えられる先生」など、自分とは異なる視点を聴けて、20分じゃ足りないくらいでした。後期は実践的な講座が多いですね。後期プログラムは前期とはまた違った様子でおもしろそうです。それぞれに特色のある大学で勉強した学生と交流して、大学で学んだことと、プログラムで学んだことの両方を相互に活かしていけたらいいですよね。後期プログラムは大学での学びをできる限り活かしていく形になっています。大学のカリキュラムはもちろん、ボランティアなどの社会体験を積んで、他の学生とのディスカッションなどで意見を伝える力や聴く力を育んでほしいですね。また、実際の教育現場に行くと、プログラムで学んだことだ!と実感することもあるでしょうし、自分でポートフォリオを振り返るなどして、プログラムで学んだことを活かしてほしいと思います。次世代教員養成塾(前期プログラム)イメージ図次世代の教師に求められる力とは?児童に寄り添うことができる力木村西谷寺田学校現場のいじめの認知件数はまだまだ多い状況です。教師は今まで以上に信頼関係を築き上げることや、教室に限らず児童の居場所となる場所をつくってあげることが大切と思っています。そうですね。児童に寄り添うためにという点では、自分の価値観で決めつけずに、まずは子どもの価値観を聴いてみる、子どもの考えていることを聴いてみることが大切だなと思います。児童を相対的に見るのではなく、個人を見ることが寄り添うことにつながると思います。私は中学生のとき、真面目なタイプだったので、先生と面談をしても問題がないとすぐに終わってしまうことが多かったん木村です。でも、中3のときの先生は、私の教師になる夢を聴いて、もっと自分の意見を言うようにとアドバイスをしていただきました。私のことをしっかり見ていてくださった、その体験がすごく印象に残っています。この3人でもいろいろな意見があるように、寄り添い方にもいろいろな場面やパターンがあって、授業や休み時間でも違いますし、なかなか話してくれない児童もいます。好きなものの話をしたり、流行っているアニメの絵を描いてコミュニケーションをとるなど、その子が話したいと思うきっかけになるものから入っていくのも、寄り添い方だなと思いました。3_AUTUMN 2022ならやま