ブックタイトルならやま2022年秋号

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概要

ならやま2022年秋号

特集次世代の教師について考える学び続ける力寺田いま現在も社会が変化していくのを身をもって感じています。コロナ禍で、以前は当たり前にできていたことができなくなることを感じていました。学校教育でも、グローバル活動や情報機器の活用などが盛んに行われるようになってきていて、教師もそのアップデートについていくために、学び続ける必要があると思いました。学習指導要領は、これからの未来を担う児童生徒に身に付けてほしい力を想定してつくられています。ですから社会の流れに合わせて学校も変化していく必要がありますし、教師も変化していく必要があると思います。もちろん、授業での学びだけでなく、自分の趣味なども大切にして、豊かな人間になっていきたいですね。木村先ほどお話ししたICTの活用もそうですが、自分自身が小中学生だったときの教育と現在の教育とは異なると思うので、学び続ける力が必要だと思います。教育実習の間、授業は毎回毎回改善の西谷積み重ねでした。完璧な授業はない、教材研究に終わりはないと指導担当の先生に教えていただきました。たとえ同じ学年を持ったとしても、教え方は変わると思います。そういう面でも、学び続ける教師であることが大切だと思いました。私が高校生のときの美術部の顧問の先生は、ずっと学び続けている方だったんです。美術の先生だったんですが、英検をとるために英語を勉強していらっしゃいましたし、もちろん美術のことについても、ずっと絵を描いて一生懸命ひたむきに頑張っている姿はとてもすてきだなと思いました。先生というのは教える立場だけでなく、子どもたちにとって親の次に身近で影響を与える存在だと思っているので、学び続ける姿を見せることで、子どもたちにとっても学びたいと思えるモチベーションになると思いました。これからどんな教員になりたいか寺田子どもたちを相対的に見るのではなく、個々を見てあげられる先生になりたいと思っています。また、教師としてだけでなく、人間としても学び続けられる人になりたいです。それには、柔軟な対応力や広い視野が必要だと思うので、これからのボランティア活動や部活動、教育実習など、大学での経験をしっかりと積んで、身に付けていきたいと思います。西谷自分の役割を自覚している教師になりたいと思います。先ほどの「助言する力」に関連して、例えば「子どもにこういう力を付けてほしいからここは黙っていよう、みんなに考えてもらおう」「ここは手助けしたほうがいいだろう」といった場面を見極めることが必要だと思っています。そのためには、多くのことに疑問をもって、大学での学びを積み重ね、自分自身を広げていきたいと考えています。木村竹村児童に寄り添う教師になりたいです。得意不得意がそれぞれの子どもにある中で、その子の長所を伸ばしてあげたいですし、伸ばせるような寄り添い方ができる教師になりたいです。書くのは苦手でもタイピングでは力を発揮できる、読むのは苦手でも音声読み上げソフトで聞かせたら文章を理解できるといったように、ICTを活用して得意を伸ばす方法もあると思います。児童に寄り添うことについて、表現は違いますが、寺田さんや西谷さんの意見と似ているところがあると思っていて、寺田さんがおっしゃった児童を個別に見てあげることや、西谷さんのおっしゃった場面を見極めて子どもたちに学ばせることも寄り添うことの在り方だと思います。その寄り添う力を付けるためには、現場経験を積むことが大切だと思っていて、寺田さんはボランティアや部活動、教育実習などで経験を積みたいとおっしゃっていましたし、西谷さんがおっしゃっていた疑問をもつことは、きっとこれからの現場体験で疑問が生まれることで学びが深まると思います。私は教育実習が終わった今後は、附属小学校とはカリキュラムの異なる公立の小学校でのスクールサポートに取り組むなどして積み重ねていきたいと思っています。皆さんのなりたい教師像に向かって、これからも学びを積み上げてほしいと思います。奈良教育大学では、2回生に「学校フィールド演習Ⅰ」という必修科目があり、プレ教育実習として学校現場を体験します。また、3回生では選択科目として、「学校フィールド演習Ⅱ」という授業もあります。こちらも学校現場での活動はもちろん、地域とのかかわりの活動を中心としています。ぜひ受講して、現場での経験を積み重ねてください。より高度な教育養成・教員研修へ竹村これまでは教員養成の話をしてきましたが、学び続ける教師という話にもあったように、教師になってからの研修についても奈良教育大学は力を入れています。その一つに、教職大学院の奈良県教員採用試験合格者に対する特例措置があります。奈良県教育委員会と連携して行っている取り組みで、奈良県教員採用試験に合格し、同時に本学教職大学院に合格された方は、1年目には教職大学院で奈良県の教育課題を踏まえたより高度な実践力を身に付け、2年目には教員として採用されます。そして教員として勤務しながら学ぶことで、初任者研修などを大学院での学びで置き換えるというものです。こういった教員養成と教員研修の一体化や高度化の流れの中に、多くの学生や教採合格者の方が入ってくださることを期待しています。5_AUTUMN 2022ならやま