ブックタイトルならやま2022年秋号

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概要

ならやま2022年秋号

貴重な史料を特別に見せてもらったり、伝統産業の「奈良墨」工場では製造途中の生の墨を握る体験もできました。墨によるデモンストレーション見学(株)墨運堂での「握り墨」体験野外での見学を通して学ぶ〈見学先〉頭塔、春日大社、郡山城、柳澤家菩提寺・永慶寺、柳里恭屋敷跡、長岳寺本学と春日大社が位置する奈良盆地東部扇状地上では、清水が湧く地理的特性から8世紀以前に遡って酒造が行われ、「かすが」という地名自体に酒造との関係が想定されます。春日大社鎮座以前にこの地の開発を担った人々の奥津城である本学構内吉備塚古墳や頭塔下古墳、飛火野に散在する御料園古墳群を歩き、奈良の歴史の重層性を、春日大社や頭塔といった古代以来の神社・史跡とともに現地で学びました。他方、奈良市の隣にある大和郡山市には、郡山城などの史跡があります。これらと関係のある柳澤吉保は、本学とも深い関係にあります。漢文のみならず当時の口語中国語に通じ、中国渡来の禅僧と中国語で交流しています。その息子、柳澤吉里が郡山城主となってから、この地には、多芸の文人・柳里恭にみられるように、学問や文化が花開きました。学生たちは郡山城周辺を散策しながら、それらを感じることができました。郡山城跡散策長岳寺見学頭塔見学飛火野散策国際理解について現場で学ぶ〈見学先〉西和自主夜間中学、奈良県立国際高等学校西和自主夜間中学での学習者支援の体験見学後の振り返りの発表さまざまな事情で義務教育を受けられなかった人たちや、日本に暮らす在日外国人、障がい者などのための学びの場が奈良県にもあり、その一つが西和自主夜間中学です。そこでの活動の様子の見学や参加者との対話を通して、学生たちは多文化共生社会を目指す上での現状や課題を認識することができました。また後日、大学にて振り返り活動もおこない、日本国内における多文化共生の在り方について意見を交換しました。さらに、日本でもまれな外国語教育カリキュラムを持つ奈良県立国際高等学校を訪問し、授業観察をおこないました。校長先生や言語担当教員への聞き取り活動もおこない、学生たちは、この学校が「国際化」に対してどのようなとらえ方をしているのかを理解し、さらにはグローバル人材の要件についても考えを深めました。7_AUTUMN 2022ならやま