ブックタイトルならやま2023年春号

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概要

ならやま2023年春号

2卒業研究の一環としての理科教室の開催卒業生は、最近は小学校、中学校理科、高等学校化学の先生になることが多いですが、以前は、企業に勤める人も多くいました。メーカーの分析部門や製薬会社、銀行、旅行会社、アパレル関係などさまざまな分野の企業でも働いています。研究室では積極的に教育実践活動も行っています。例えば、学生自らが大学の近くの小学校にチラシを配って参加者を募り、夏休みの理科教室を開催したり(写真2)、奈良市の教育委員会主催の理科教室を行ったりしています。こういう活動を積極的に行うのは、やはり教員志望の学生たちです。炎色反応、コイン選別機、入浴剤作り、尿素の結晶作りなどをしますが、この時大学生は、小学生に分かりやすい説明とはどのようなものかをじっくり考えることになります。教えるつもりでも、実際には自分の勉強になっているのです。4回生になって研究室に所属して卒業研究を行うことは、それまでとは異なる「研究」というものの考え方を学ぶことで、卒業研究をするうちに自分の選んだ専門がますます好きになります。学校の先生になって教えるときにはやはりその教科が好きだということが重要です。そうして学んだことを活かして卒業後の様々な進路を進んでいくことにつながります。プロフィール理科教育講座かじわら梶原あつし篤教授大阪大学大学院理学研究科博士後期課程修了。1997年10月着任。2014年4月より現職。ゼミ生からの研究室紹介大学の研究室での研究は、高校までの勉強とは違い、答えがありません。実験でたくさんの失敗を重ねながら、まだ誰も知らない事象を明らかにしていき、1つの答えにたどり着いたときの達成感は、研究する中での大きな魅力の1つです。私は、研究は教師という仕事によく似ていると思います。教育には答えがありません。多くの失敗からより良い方法を探し、生徒とともに学び成長していくこと。これが教育の魅力だと私は思っています。梶原研究室は、自然科学(高分子合成科学)の研究だけでなく、教育についても考え、学ぶ機会がたくさんある研究室です。大阪府立平野高等学校理科教諭たつみ辰巳てつ哲や也さんSPRING 2023ならやま_12