ならやま春号

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初年次教育カリキュラムの紹介「初年次教育」は、具体的には「大学での学び入門」「教職入門」「現代教師論」「専修基礎ゼミ」の4つの授業で構成されています。大学での学び入門1年生前期の前半(4月~5月)に実....

初年次教育カリキュラムの紹介「初年次教育」は、具体的には「大学での学び入門」「教職入門」「現代教師論」「専修基礎ゼミ」の4つの授業で構成されています。大学での学び入門1年生前期の前半(4月~5月)に実施される「大学での学び入門」は、各専攻の専修(教育発達専攻では教育学・心理学・幼年教育・特別支援教育の各専修、教科教育専攻では各教科専修、伝統文化教育専攻では書道教育と文化遺産教育専修)ごとに行われます。各専修の専門性を基礎に置いて、大学での学びに必要な基本的力(アカデミック・スキル)を身につけることをめざします。例えば、大学ではレポート課題が課せられることが多くなります。誰かの文章をつなぎ合わせただけではない、かつ、感想文とも違う、いわばレポートとしての要件を備えたものをまとめることができる力は欠かせません。レポートをまとめるためには、与えられた課題について調べるにはどうすればよいのか、集めた資料・情報やデータをどう分析するのか、分析して得られたものをどう総合するのか、そうした考察の過程と結論を他者に理解してもらうためにはどのようにまとめればよいのか、といったことが総合的に、統一的に達成されなければなりません。また、視覚や聴覚に訴えて理解を高めてもらうための力も必要とされます。もちろん、これらは一朝一夕に身につくものではありませんが、まず基本中の基本を理解し、活用できるようにしようというのが「大学での学び入門」のねらいです。教職入門1年生前期の後半(6月~7月)は学年を4クラスに分けての「教職入門」です。この授業は、教員をめざして本学に入学してきた学生一人ひとりに、教育専門職としての教員のイメージを形作ってもらうのが目的です。今までは、児童・生徒として教員を見ていたわけですが、そこで描いた教員のイメージと、教員の実像とは、もちろん重なるところもありますが、見えていなかった部分もたくさんあるはずです。この見えていなかった部分に気づくことこそ、専門職業人としての教員になっていくために大切なのです。そこで、この授業では、優れた教育実践に触れ、それを生み出した教員をゲストティーチャーに迎えて直接学んだり、母校を訪問して、教員としての先輩にあたる恩師にインタビューしたりしながら、教師の仕事の諸相に触れ、教育という営みの本質に近づいていくことをめざします。現代教師論1年生後期に実施する「現代教師論」は、前期後半の「教職入門」の発展編といえます。本学の附属幼稚園・小学校・中学校・特別支援学級の先生方からそれぞれの教育の実際について学び、また附属学校園を見学します。そうした活動を通じて、自分が希望する学校種の教員になるための学びの道筋を確かなものにしていきます。専修基礎ゼミそれぞれの専修ごとに、専修を構成する学問の基礎に触れます。教育は、人類が長い歴史の中で蓄積してきた学問の成果を次世代に伝えていくという役割を担っています。過去の学問の成果をきちんと学ばなければ、未来をひらく新しい成果を生み出すことはできません。本学の各専修を構成する学問の魅力に触れ、それぞれの専門的学びを深めていくための導入です。◆大いに学び、豊かな力を教員という職業は、次世代の担い手を育む、つまり、未来の担い手を育てるとても創造的で魅力的な仕事です。しかし、加速度的な社会の変化への対応に迫られたり、時にはいささか理不尽な要請にふりまわされたりと、大きな負担を伴っていることも確かです。専門職業人としての教員に求められるものはますます大きくなっています。そんな中で、大学で学ぶことのできるものは、時間的にも内容的にも限りがあります。だからこそ、今回の改組ではカリキュラムを見直し、4年間に学んでほしいこと、学んでおくべきことを整序しました。奈良教育大学で大いに学び、豊かな力を身につけてください。創造的で魅力的な仕事を担う教員への育ちを、全学を挙げて応援します。SPRING 2012ならやま_10