ならやま春号

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失敗と挑戦―実習を終えて―実習を終えた清水阿弓香さんに話を聞きました。清水さんは何年生の担当で、教科は何を担当したのですか?私は2年生のクラスを受け持ち、国語で「走れメロス」を教えました。先輩方から実....

失敗と挑戦―実習を終えて―実習を終えた清水阿弓香さんに話を聞きました。清水さんは何年生の担当で、教科は何を担当したのですか?私は2年生のクラスを受け持ち、国語で「走れメロス」を教えました。先輩方から実習中は時間の余裕が無いと聞いていたので、夏休み中に教材研究に取り組み、学習指導案を書きためておきました。実習が始まるとすぐに教科指導の先生に指導案を見ていただき修正し、いざ授業に臨みました。でも実際にやってみると困難の連続でした。何がたいへんでしたか?予想していなかった反応や意見が生徒から返ってくることです。こちらの指示や発問の意図が伝わらない場面が多くありました。私の伝え方の悪さや準備不足で生徒を混乱させてしまったのだと思います。そんな時、どうしましたか?どうしようもできなかったんです。自分の中で瞬時に整理することができず、黙り込んでしまうこともしばしばありました。準備していないことが起きると恐くなってしまうんですね。今考えれば、そんなに恐れることはなく、自分のベストを尽くせばよかったのですが、その時は何をするにもびくびくしていました。びくびくするから余計に身動きがとれなくなり、どんどん自信を失っていきました。自分の授業を終えると毎回落ち込みました。ひどいときには、授業の失敗が原因で昼食指導に行けなかったときもあります。そんな状態のまま、研究授業の日を迎えてしまいました。授業後の批評会には附属中学校の先生方、大学の先生方も参加してくださったのですが、厳しいご意見をいただき、本当に落ち込みました。たいへんでしたね。でも、それがいいきっかけになりました。このまま終わりたくないと思ったんです。受け持つことのできる授業が2時間ほど残っていたのですが、それは自分教育学部学校教育教員養成課程言語・社会コース3回生大阪府立春日丘高等学校出身しみず清水あゆか阿弓香さんとの戦いでした。これまでやってきた授業を反省し、全く違うものに改めるというのはとても怖いことでしたが、勇気を振り絞って体当たりで挑戦しました。そこでようやく気づいたのですが、実習ではやってみようと思ったことはすぐやってみるべきなのです。生徒からは予想以上の反応がかえってきました。普段発表をまったくしない生徒が手を挙げました。私は授業をしながら生徒たちとコミュニケーションをとることができました。恐ろしいものと忌避していた生徒の予想外の意見が、とても面白いものだと思えました。学級全体で同じことについて考え、一緒に学んでいくことが楽しいと感じられました。最後にとても充実した時間を過ごすことができたのです。自分が楽しいと感じるときには生徒たちもいきいきします。授業には、教えることを楽しむ緊張した研究授業の様子気持ちと、みんなで考えようとする態度がとても重要になってくるのだと気づきました。この残り2時間で経験したことは教育実習で得た大きな財産です。怖じ気づかずに挑戦したことが実を結んだのですね。貴重な経験です。この経験は、周りの人の支えがないとできなかったと思います。教科指導の※2先生も学級指導の先生も私のことを応援してくださいました。時には厳しい言葉もいただきましたが、それも私のことを思っておっしゃっていることがよくわかったのでとても心強かったです。批評会で忌憚ない意見をくれる実習仲間たちは、それを改善するためのアドバイスもたくさんくれました。声が小さいという指摘を受けた後、同じ注意をうけた仲間と発声練習をしました。授業前に「落ち着いて」や「大丈夫、大丈夫」と声をかけ合い、また授業がうまくいかなくても少しでも改善されたところがあれば一言かけてくれました。大学で一緒に学んでいるメンバーが一緒なので、苦しい時に支え合うことができるんですね。これは私にとって大きなメリットだったと思います。共に学び、そして支え合う。この大切さを実感しました。実習仲間同士で※13_SPRING 2012ならやま