ならやま春号

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教育実習の日々~附属中学校編~特集指導教員EYES(教科指導)もそうでしたし、もしかすると生徒との関係もそうなのかな、と今では思います。何より生徒たちが私の心の支えでしたから。生徒のことを知るたびに、頑張....

教育実習の日々~附属中学校編~特集指導教員EYES(教科指導)もそうでしたし、もしかすると生徒との関係もそうなのかな、と今では思います。何より生徒たちが私の心の支えでしたから。生徒のことを知るたびに、頑張ろうと思えました。私の中では一生大切な生徒たちです。生徒への意識も実習の前後で変わりましたか。大きく変わりましたね。頭では分かっていたことなのですが、実際に接してみて、生徒一人ひとりがこうしたいという自分なりの思いや意見、さまざまな感情を抱いているんだとあらためて実感しました。特に、文化祭である「文化のつどい」の準備をしている時に、そのことを強く感じました。私の担当クラスでは、当初、小さなグループごとに動いてしまい、全体のコミュニケーションがとれていない状態でした。少しでもまとまるようにと働きかけをしたところ、生徒たちもこれではまずいと思っていたようで、徐々に協力し合うようになったのですが、それと同時にさまざまな衝突が起きました。自分の中にしまい込んでいた意見を互いにぶつけ合う中で、互いの本音が出始め※1教科指導の指導教員は、授業の設計図ともいえる学習指導案について、さまざまなアドバイスを行います。実習生たちはアドバイスを参考に何度も修正を重ねた上で、指導案に基づいて授業を行います。授業後には指導教員や実習生仲間で反省会を行い、良かった点や悪かった点について話し合い、次の授業へとつなげていきます。※2学級指導の指導教員は、担当クラスの様子や生徒たちの個性、日常の行動や行事に向けた準備など学級に関わるさまざまな局面でアドバイスをします。学級運営には、生徒一人ひとりを個として見つめ、活かしていくことを念頭においたカウンセリングマインドが必要です。昼食時や清掃時、行事を通して行われる生徒との交流の中はもちろんのこと、時にはルールを破った生徒の指導なども行わなければなりません。実習生たちは、指導教員のアドバイスを参考にしながら、また仲間同士で相談し補い合いながら奮闘します。※3本学では3回生で4週間、4回生で2週間の実習を経験します。■11多くの実習生や大学教員などが研究授業を参観しました2研究授業後の批評会。厳しい指摘を受けながら、それを力に変えていきます3研究授業前に何度も練り直した、学習指導案たのです。でも何度も話し合いを重ねることで、ぶつかり合い、時に妥協し合いながら意見を一つにしていきました。生徒たちにとって一番大切な時間だったと思います。私にとっても生徒指導を考えるとても良い機会になりました。学級のあり方や生徒たちの変化を目の当たりにして、教員という仕事の醍醐味を少しだけ味わえたような気がします。では最後に、これからの意気込みを聞かせてください。今回の実習では、指導教員をはじめとして、実習仲間や生徒たちにたくさん支えてもらいました。今度は私が誰かを支える番です。もっともっと頑張って、生徒たちの支えになれるような、そんな先生になりたいです。めまぐるしく過ぎていった4週間は、中学校教員としての学びはもちろんのこと、さまざまな面において成長をもたらしてくれた日々でもあったようです。未来に向かってぐんぐんと伸びていく学生たちのこれからが楽しみです。■2■3奈良教育大学附属中学校うえにしこういち植西浩一先生教育実習にあたり、実習生に期待することは何ですか。教科の授業、学級経営、部活動、何事にも全力でぶつかり、できるかぎり多くのことを吸収しようとしてください。真摯な態度、謙虚な姿勢で、学べるだけ学んでください。若さの持つまじめさ、ひたむきさは、何にも変えられない宝物です。それを最大限に生かして1か月の実習生活に取り組むことを期待しています。今年度の実習・実習生を振り返っていかがでしょうか。たいへんまじめにかつ熱心に実習に取り組んでいて、よかったと思います。何度も指導案を練り直して授業に取り組んだことは、貴重な財産になると思います。ただ、自分はこれをやりたい。こんな授業に取り組んでみたいというこだわりは、以前の実習生たちに比べると弱くなっているのではないかと感じています。次の4※3回生実習では、こんな授業をやってみたいという思いを持って臨むと、さらに成果が上がるように思います。教員を目指す高校生・本学生へのメッセージをお願いいたします。教員は、やりがいのある魅力的な仕事です。充実した授業の場を子どもたちと共有できたとき、子どもたちが心を開いてくれたとき、子どもたちの成長が感じられたときなどは、本当にうれしく、それまでの疲れも吹き飛びます。同時にその人の学問の深浅や人間そのものが問われる仕事でもあります。高校や大学で学べるだけ学ぶとともに、様々な経験を積んで自分を磨き、教員への道を進んでください。教室の子どもたちは、若くてやる気のある元気にあふれた先生を、待っています。SPRING 2012ならやま_4