ならやま夏号 page 20/24

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ユネスコクラブ部長教育学研究科専門職学位課程（教職大学院）１回生あらみや新宮副部長わたる済さん教育学研究科専門職学位課程（教職大学院）１回生なかざわ中澤てつ哲や也さん【左：新宮さん右：中澤さん】大学付....

ユネスコクラブ部長教育学研究科専門職学位課程（教職大学院）１回生あらみや新宮副部長わたる済さん教育学研究科専門職学位課程（教職大学院）１回生なかざわ中澤てつ哲や也さん【左：新宮さん右：中澤さん】大学付近の文化財、奈良のピラミッド「頭塔」を訪ねて第２回道普請にて。崩壊した道の修復世界遺産を自分たちの手で～十津川道普請に取り組むユネスコクラブ～2011年9月、台風12号により世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の古道が被災しました。その古道を修復する「道普請」（奈良県や十津川村との連携により実施）に参加している学生がいます。奈良教育大学ユネスコクラブの学生たちです。そんなユネスコクラブで中心となってメンバーをまとめる部長の新宮さんと副部長の中澤さんに話を聞きました。教員を目指す学生にとって聖地みたいなクラブユネスコクラブは、本学が日本の大学で初のユネスコスクール加盟校ということもあり、ESD（持続発展教育）に強い教員の育成や、身近にあるものをテーマに教材を作り、物事を考えられるようになることを目指して2011年に結成されました。自分の好きな奈良の場所や食べ物をみんなに知ってもらうために、実際にフィールドワークを行う「私の好きな奈良」という活動や地域の小学校での「親子燈花会」、奈良のユネスコスクールの小中学生と一緒にESDを学ぶ「ASP子どもキャンプ」をしたりなど、子どもたちだけでなく現職教員とも関わる機会が多くあります。「将来教員を目指している方には聖地みたいなクラブですね」と中澤さんは話します。世界遺産の『道』を修復する参加のきっかけは「十津川村で世界遺産の『道』を修復するボランティアがあるから、ユネスコクラブでちょっとお手伝いしに行こか」という感じで、ほんの軽い気持ちだったと言います。道普請では、現地の方の協力を得ながら、トンガやジョレンという道具を使って、「道」を作り直していきます。約2時間かけて山を登ってからの作業となるためかなりハードで、道が完全に崩れているところもあるなど修復の難しさを感じる場面も多かったそうです。しかし、「夢中になって作業を続けている中で、何気なく後ろを振り返ってきれいになった道を見た時にはとてもやりがいを感じた」、「自分が誰かのために少しでも役に立てている、世界遺産を修19＿SUMMER 2012ならやま復していると考えると、とても気持ちが良くなる」と話してくれました。また、十津川村の方々との交流も楽しみの一つだそうです。ボランティアの何が楽しいのか？「実は道普請に参加する前はボランティアの何が楽しいのだろうという気持ちでした」と中澤さん。しかし実際に道普請に参加してみると、かなりの達成感を得ると共に、作業させてもらってありがとうという気持ちになり、また村の優しさに触れ暖かい気持ちでいっぱいになったということです。「とにかくボランティアは、実際に行ってみないとわかりません。」メンバーは、今回の活動で、人と関わることの楽しさやおもしろさを感じたそうです。「いろいろな人と交流することで、これまでにない新しい見方、考え方に出会うことができます。これからもたくさんの人と関わっていき、自分のなかの“つながり”を広げていきたい」と目を輝かせていました。ユネスコクラブの目指すもの最後に、新宮さんがユネスコクラブの今後の目標について話してくれました。「ユネスコクラブの目標は大きく3つあります。１つ目が『道普請』の継続。このように素晴らしい十津川道普請への参加を継続し、成長の糧としていくことです。2つ目が『奈良ESD子どもキャンプ』（会場：奈良教育大学）を成功させること。奈良市内のユネスコスクールの子どもたちが参加するキャンプに、学生リーダーとして参加します。現在は夏の本番に向けて、現場の先生方に交じって企画を練っています。このキャンプが子どもたちの一生の思い出になるようにしたいと考えています。3つ目が『つながり』を全国に広げていくことです。私たちは全国の大学のユネスコクラブが一堂に会してESD活動の成果を発表し合う学びの場を構想しており、そのために他大学のユネスコクラブを訪問し交流することで『つながり』を結んでいきたいです。」ユネスコクラブの活動は以下HPに随時掲載されています。http://nueunescoclub.web.fc2.com/