ならやま2012年秋号

ならやま2012年秋号 page 4/24

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教職大学院の特徴的な取組本学教職大学院の特徴として『3つの教師像に基づくカリキュラム・フレームワーク』、『学生集団と教員集団との協働的な学びの実現(各科目の中での理論と実践の融合)』、『電子ポートフォ....

教職大学院の特徴的な取組本学教職大学院の特徴として『3つの教師像に基づくカリキュラム・フレームワーク』、『学生集団と教員集団との協働的な学びの実現(各科目の中での理論と実践の融合)』、『電子ポートフォリオの活用』等があげられます。これらは、平成23年度に教員養成評価機構が行った認証評価でも高い評価を受けています。1学校実践本学教職大学院では、連携協力校で実際に児童と関わって学びを深める4回の学校実践があります。学校実践Ⅰ・Ⅱでは、小・中学校の授業観察を通して、指導方法や学級経営を学びます。学校実践Ⅲは、授業実践によって学びを深めます。そして、学校実践Ⅳでは自ら設定した研究テーマに沿って、実践研究の力量を培います。院生の声私の場合、授業観察が中心の学校実践Ⅰ・Ⅱでは、発問の仕方や板書の工夫を学ぶとともに、先生方の学級経営上の苦労や工夫についても学べました。学校実践Ⅲでは、大学院の講義や学校実践Ⅰ・Ⅱの学びを踏まえて授業実践に取り組みます。自らの授業実践では、特に学習意欲を高める発問の仕方を工夫し、授業をしました。しかし、授業することは難しく、大学院や連携協力校の先生方から指導していただいた理論や方法を生かしきれませんでした。そこで、次の学校実践に向けて実践力を向上させたいと思い、院生間で模擬授業をしたり話し合ったりするなど、学校実践で得た一つひとつの学びを振り返りました。10月には、学校実践Ⅳが始まります。私は学校実践Ⅳで、子どもたちの日常生活と学習内容とを関連づけて関心を高め、問題解決の楽しさを見出すことによって意欲を高め、さらに自分で考えたことを表現し伝える活動を通して、多くの子どもたちに学ぶ楽しさを実感してもらいたいと考えています。私にとって学校実践は、自分の成長を確かめる学びの機会だと言えます。学び全体を通して…修了生の声葛城市立磐城小学校おかじまますみ岡島眞寿美さん教育学研究科専門職学位課程(教職大学院)1回生きしもとあきらさん岸本陽「教職大学院の学びを子どもたちへ…」教科の専門性に強い教師を目指して、教職大学院で学んだ二年間。専門的な知識や教師としての大切な資質を改めて学ぶことができました。「子どもたちに学ぶことの楽しさを伝えたい。」そんな思いで、現場に戻った今、「理論と実践の往還」という言葉を実感しています。これからも、子どもたちとともに、しっかりと歩んでいきたいです。担当教員より「凡庸な教師はただしゃべる。よい教師は説明する。優秀な教師はやってみせる。最高の教師は子どもの心に火をつける。」これは教師像を語るときに、よく引き合いに出されるウイリアム・ウオードの言葉です。学校の課題が複雑化する現在、これだけの言葉で教師像を語るに足るかといえば少々心許ない気もしますが、子どもたちの学ぶ心に火をつけられる教師に対する憧れは、教職を学ぶ者にとっては永遠のものであろうと思います。本学教職大学院で学ぶ院生にとって学校実践Ⅰ~Ⅳは、学部時代の教育実習と比べ、より大きな意味を持ちます。それは、学校実践ⅠからⅣへとステップを重ねるたびに、ウイリアム・ウオードの言葉のように教員としてより高次の資質能力が求められるからです。特に最後の学校実践Ⅳでは、授業力だけでなく、目指す教師像にふさわしい研究テーマを設定し、実践研究の力量を培うことも求められます。その実現のためには、自分の実践を、これまでに学んだ諸理論と結び付けて分析的に省察することが重要な活動となります。まさに、理論と実践の往還を体現する活動だと言えそうです。この学校実践を支えていただくのが、連携協力校の学校長はじめ、直接指導いただく先生方です。多様な課題を抱え、多忙を極める中、後輩を育てる気持ちでご指導いただき、院生はもちろんのこと、我々も感謝の気持ちでいっぱいです。恩返しは、子どもの心に火を点けられる教員を一人でも多く世に送り出すことだと心得、連携校での実践と大学院での授業をより強く関連づけたいと考えています。教職開発講座(教職大学院)教授やまもとよしのぶ先生山本吉延3_AUTUMN 2012ならやま