ならやま 2013年夏号

ならやま 2013年夏号 page 8/24

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W羅盤NS針E奈良教育大学の取り組み~社会の要請に応えるために~学生ボランティアの取組本学では、学生がさまざまなボランティアに取り組んでいます。特に一般ボランティアでは、ボランティア活動の情報提供及び学生....

W羅盤NS針E奈良教育大学の取り組み~社会の要請に応えるために~学生ボランティアの取組本学では、学生がさまざまなボランティアに取り組んでいます。特に一般ボランティアでは、ボランティア活動の情報提供及び学生同士の情報交換の場として、「ボランティアサポートオフィス」を設置し、また、学外より専門家に相談員としてお越しいただき、学生のボランティア活動をサポートしています。以下では、ボランティアサポートオフィスの主な取組例を紹介します。ボランティアサポートオフィス1回生の皆さんは入学して数ヶ月がたちました。ようやく大学生活になれてきたと相談員こじまみちこころでしょうが、高校と違い大学は自由である分、求めなければ与えられず、待ってい小島道子氏るだけでは有益な情報をキャッチすることはできません。自らアンテナを張り積極的に情報を収集して、より有意義な学生生活をエンジョイするようにしてください。同じことがボランティア活動についても言えます。今までも誰かに勧められてボランティア活動をしてきたかもしれませんが、ボランティアの語源であるラテン語のVoluntas(自由意志)からも推測できるように、自由な意志に基づいて自発的に社会参加活動をするのが本来の姿です。社会の成熟に伴い人々の価値観が多元化し、それらが複雑に絡み合って社会が構成されるようになりました。そこでの社会的課題は従来の社会システムだけでは解決できなくなっており、市民の発意に基づく活動が求められています。それらの社会的課題解決の方法の一つとしてボランティア・NPO活動があります。既存のボランティア活動に参加するだけでなく、自ら社会的課題を見つけ出し、その課題解決に向けて考え、行動に移すことが重要です。多様な価値観の人とぶつかり合い人間性を磨く機会ともなります。ボランティアサポートオフィスではこのようなチャレンジをする学生のサポートも行っています。東日本大震災教育復興支援宮城教育大学との連携により、東日本大震災で被災した地域の学校等において、学習補助を中心とした教育復興支援活動を行っています。平成23年7月~8月の第1次派遣を皮切りに、平成25年3月の第7次派遣まで、7回(平成23年度3回、平成24年度4回)、学部1回生から大学院2回生までのべ48名が現地で活動しました。現地では、主に小学校や中学校において、教員の補助や自学自習の支援を行いました。活動中は毎晩ミーティングを行い、それぞれの体験を共有する機会が設けられました。また、学生を派遣するにあたり、事前研修及び事後のフォローアップを実施しました。事前研修では、専門の教員らが、ボランティアとしての心構えや現地の状況の説明、学校での学習支援の方法・留意点の説明、災害を体験した子どもへの接し方や学生自身のメンタルヘルスなど心理面に関する説明、派遣メンバー同士が円滑に活動を進められるようアイスブレーキングを含めたグループワーク等を実施し、現地での活動に向けたサポートを行いました。事後のフォローアップでは、活動終了後1週間以内に、臨床心理士の資格を持つ教員が学生1人ずつと1時間程度面談し、現地での経験を振り返る時間を設けました。経験を言語化することで活動をまとめ、二次受傷の有無の確認等を行いました。8月3日から10日には第8次派遣が行われる予定で、被災地への学生ボランティアの派遣は今後も継続されます。1 21教室での活動の様子2第5次派遣宿舎でのミーティング3現地での活動を学内でパネル展示しました活動期間参加学生数活動場所第1次派遣平成23年7月30日~8月6日8(男性5、女性3)名七ヶ浜町、大崎市第2次派遣平成23年9月10日~17日6(男性2、女性4)名岩沼市第3次派遣平成24年3月11日~18日10(男性7、女性3)名松島町第4次派遣平成24年8月4日~11日6(男性2、女性4)名丸森町第5次派遣平成24年9月23日~29日8(男性4、女性4)名丸森町第6次派遣平成25年3月2日~9日6(男性3、女性3)名松島町第7次派遣平成25年3月9日~16日4(男性3、女性1)名松島町学校教育教員養成過程理数・生活科学コース3回生おやのきしょうへい親木翔平さん奈良県立山辺高等学校出身3私は、第5次派遣と第7次派遣の2回、大学を通して支援へ向かいました。それらの活動を終えて、「被災地」に対する意識が大きく変わりました。考える機会も増え、積極的に情報を集めるようになりました。大切なことは、考えるだけではなく、言葉にし、かつ何か行動することだと思います。当然、現地へ向かうことだけが復興支援であるとは思っていません。しかしながら、「私たちは忘れていません」と伝えるためにも今後も赴きます。「できるときに、できることを」を基本に、自分に合った活動を続けていこうと思います。7_SUMMER 2013ならやま