ならやま 2013秋号

ならやま 2013秋号 page 3/24

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特集課外活動で教師力を高める奈良教育大学では、多くの学生が授業以外の場で自主的にさまざまな活動に積極的に取り組んでいます。学生自治会や大学祭実行委員会などの学生団体に関する取組、クラブやサークルでの取....

特集課外活動で教師力を高める奈良教育大学では、多くの学生が授業以外の場で自主的にさまざまな活動に積極的に取り組んでいます。学生自治会や大学祭実行委員会などの学生団体に関する取組、クラブやサークルでの取組、ボランティア活動など、一般的なものから教育大学ならではの取組まで多種多様です。今回の特集では、それら「課外活動」を取り上げ、学生の取組などを紹介します。対談課外活動が教師力を高めるきたたに北谷いさお勲相談員(教員就職担当)奈良学芸大学(現:奈良教育大学)卒業。県内の小学校・中学校で教壇に立ち、教頭・校長を歴任。現在、就職相談員として本学の教員志望学生の相談を担当している。みやしたとし俊や宮下也学長補佐(就職担当)宮下:教員になるにあたり、学業以外の課外活動は大きく影響しますよね。これまで相談を受けられてきて、どのようにお感じですか。北谷:教員採用試験において、たいてい「求める教員像」が示されています。例えば奈良県では、「使命感や情熱にあふれ、愛情をもって児童・生徒との信頼関係が築ける人」「豊かな人間性をもち、深い専門知識に裏付けられた実践的な指導ができる人」「奈良の伝統、文化を理解し、地域と社会的絆の中で子どもを育てられる人」が求められています。もちろん、大学生である以上知性を身に付けてもらわないといけませんが、それ以外に課外活動で養われるものが、「求める教員像」に反映されることが多いと感じています。試験では、プレゼンテーションシートなどの記入を求められることが多く、例えば、「今までの経験で一番大きな壁になったものは何か。それをどのように乗り越えたのか。またそれによってどのような力がつき、今後教員としてどのように生かせるのか」ということが聞かれることもあります。宮下:学内を見ていると、本学の学生は課外活動を一生懸命にやっていると感じますが、その経験が、教員になったときにどう生きるのかという意識を少しでも持って取り組んでもらいたいと思っています。北谷:そのとおりです。教育委員会は、経験したことの具体的内容だけでなく、その経験からどのような力がつき、今後どのように生かせるのかというところまで要求しているわけです。◎◎◎◎宮下:採用試験間近の学生が相談に来ることが多いと思いますが、まだあまり採用試験を意識していない1、2回生あたりの学生に、何かアドバイスはありますか。北谷:まず課外活動をして欲しいです。できれば部長や副部長など全体をまとめるような役割、またマネージャーなど縁の下の力持ちのような役割を経験してもらうことが大事だと思います。そこでの経験からいろいろと身に付けることができれば、「求める教員像」に生きてきます。宮下:きらりと光る経験ですね。北谷:私は大学時代に陸上部で長距離に取り組んでいましたが、駅伝から大事なことを学びました。駅伝では、前の人からたすきを受け取り、次の人に渡します。たすきには前からの汗がついていて、絶対に次に渡さないといけないのです。そこにつながり・絆を感じました。しんどくて孤独だけれども、チームプレーなんです。教員として現場に行ったときに、いろいろと悩むことがあります。まずやはり自分で頑張らないといけません。自分で頑張るけれども、頑張りきれなかったときにはやはりたすきです。同僚や管理職にたすきをつないで助けを求める、そして、その対応を吸収して次につなげる、それが一番大事です。私の親友は、ずっとバレーボールをしていたのですが、彼は周りによく心配りができました。彼はアタッカーで、誰かがボールを上げてくれないと打てません。当然周りに目が行くようになります。集団競技から得た経験ですね。◎◎◎◎北谷:私が管理職をしていたときの話ですが、すごく優秀で熱心な教員のクラスで、学級崩壊が起きました。原因は何かと検証していくと、その先生は一生懸命だけれども目線が正面の限られた範囲にしか向いていなかったのです。問題を起こすような子は正面から外れたところにいますので、そのような子に気づくことが出来なかったのです。このようなことを防ぐためにも、広い視野を身に付けておくことが必要で、そのためにも課外活動は役に立ちます。宮下:一般に一生懸命に努力するというと、狭い範囲で深くやる、脇目も振らずに頑張るというようなところがありますが、教員の場合は違う訳ですね。◎◎◎◎北谷:教育では、人間が人間を教えるのですから、人間が出来ていないと親も子どもも地域も皆反対を向いてしまうのは当たり前です。なかなか20歳過ぎの人間が、教育委員会が求めているようなことは出来ませんが、それにつながるような経験をやはり学生のときにしてもらいたいのです。それこそ人間形成は一生かかって行うものですけれども、そういう芽を持って臨めるかどうかでは違ってきます。宮下:課外活動は、人間を成長させ、教師力を高めるための勉強なんですね。就職相談キャリアサロンでは、皆さんの就職相談に対応できるように、専門の相談員(教員就職対象・企業就職対象)を配置しています。相談日等詳細は、ホームページ(http://www.nara-edu.ac.jp/campus_life/employment/career_counseling/)をご覧ください。1回生からでも気軽に相談できる体制を整えています。AUTUMN 2013ならやま_2