1.子どもが突然教室から飛び出した!
【ファシリテーターの解説】 

 児童が授業中、突然教室を飛び出すというケースは、小学校では珍しいことではない。このケースでは3時間目であることから、2時間目終了後の休憩時間から3時間目の授業中にかけて、この児童が飛び出す何らかの原因が生じたと考えられる。児童は学校内のどこかに隠れている場合が多いが、学校外へ出て家に帰っていたり、公園や商業施設に行っている場合もある。

このようなケースの場合、学校で最優先されるのは、児童の安全確保である。となりの学級の教員に、「○○が飛び出したので追いかけます。」と伝え、担任はその児童を追いかける。学級の児童については当面の自習課題などを指示できればよいが、それも難しい場合はその必要はない。校内にいるか校外へ出たかは、下足箱を確認することにより目安をつけることができる。すぐに居場所が見つからない場合は、職員室に連絡し、他の教員の応援を乞う。このとき教員の人数に余裕があれば学級のようすを見に行ってもらう。一方担任は、児童の居場所が判明するまで探し続ける。一定時間(10分程度)探して見つからない場合は、保護者に状況を緊急連絡する。

 トイレに隠れていた、運動場の隅にうずくまっていた、家に帰っていたなど、居場所が判明した時点で、児童の安全が確保できたということになる。クールダウンの後、なぜそのような行動に至ったかの状況把握、指導、保護者への連絡となるが、終始担任が前面に出て行動しなければならない。

 近年このような児童の増加に伴い、学校としての体制を組んでいる場合も多い。事前に、自分の学級に可能性のある児童はいるのか、勤務校ではどのような体制が組まれているのかなどを確認する必要がある。また、いつこのようなケースが起こるかわからないことから、学級の児童には担任不在時の自習体制を指導しておく必要もある。いずれにしても、初動に教師としての資質が問われるケースである。