自分の見解とファシリテーターの解説には、どのような違いがありましたか?
教師力サポートオフィスではこのほかにもたくさんのケースを用意し、
対応力を養うための取り組みも行っています。
 小学校の運動会は休日に実施されることが多く、両親や祖父母、卒業生などが来校し、参観者が児童より多いということも珍しくない。また、近年ビデオ撮影や撮影場所に伴うトラブルも増加している。学校では、早朝の開門時刻を決め、参観の場所取りに秩序をもたせたり、事前の保護者に児童の演技場所を伝え、混乱を回避するなど、その対応に工夫を加えている。また、多くの学校では、事故防止の観点から運動会中の遊具の使用は禁止している。
 このケースの場合、夫婦の言動に大きな問題がある。しかし、その場に居合わせた教員は、その挑発に乗らないよう、冷静に対応しなければならない。夫婦の屁理屈にも一理あるので、「来年からは『この遊具を使用しないでください』に改めます。」の一言を添えてもよいが、「運動会では児童保護者共に使用する遊具ではありませんので。」と学校の意図を伝える。それでも引かない場合は、「お名前を教えてもらえますか。」と名前を聞き、(言わなかったり、偽名を使ったりすることも多いが)その場を立ち去ってもよい。周りにいる保護者もこの夫婦の言動には嫌悪感を持つであろうし、学校の意図を示すことができればそれでよいのである。ただし、学校やPTAの反省会では、このケースを保護者の問題行動として記録し、引き継ぐ。
 その他に運動会にまつわる問題として、犬を連れてきた地域の人に注意をすると「お前はうちの犬を飢え死にさせる気か!」と怒鳴られたというケース、運動会の保護者席で酒盛りをしていたというケースもある。このような保護者や地域住民のモラル低下のケースが頻発するということであれば、PTA,おやじの会(児童の父親を会員とする組織で、設置する小学校が増えている)、自治会、老人会、民生委員、青少年指導委員など、保護者や地域社会の団体とも協議し、これらの団体によるパトロールを組むなど、組織での対応を考えなければならない。
 
CASE13.運動会で保護者が暴言
【ファシリテーターの解説】
教師力を育むケースメソッド18








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