自分の見解とファシリテーターの解説には、どのような違いがありましたか?
教師力サポートオフィスではこのほかにもたくさんのケースを用意し、
対応力を養うための取り組みも行っています。
 小学校で児童が嘔吐することは頻繁にある。授業中などで、嘔吐した児童が明確な場合はその児童への対応ということになるが、ケースの場合は嘔吐した児童が不明である。一方、近年、学校ではノロウイルス、ロタウイルスによる感染症の流行があり、嘔吐物を発見した場合、これらに対応した処理を行わなければならない。体調不良や乗り物酔いによる嘔吐とは、処理の方法が異なる。
 ケースの場合、比較的早期の発見と考えられるが、嘔吐物の処理はそれが乾燥するまでに行う。嘔吐物が乾燥すると空気中に飛散し、新たな感染源になるからである。処理には、市販の嘔吐物処理セット(たとえばノンゲーロ 西本薬品株式会社)を用いるのが良いが、ない場合はコム手袋を着用し、キッチンハイターなどの塩素系薬剤で消毒しながら処理する。汚物は使用したゴム手袋と共にごみ袋に密封し、後に確実に焼却する。ノロウイルス、ロタウイルスは、アルコールでは死滅しない。また、感染防止の観点から、児童に処理を手伝わせないようにする。廊下の手洗い場での嘔吐であることから、近隣の学級に嘔吐した児童がいると考えられる。授業が始まっている状態であろうが、各担任にも連絡し、嘔吐した児童の発見に努める。小学校低学年では、恥ずかしさから名乗り出ない児童も多い。児童が判明した場合、保護者に連絡し、受診を勧める。
 ノロウイルス、ロタウイルスによる感染症は通常数日で快復するが、感染力が強く、放置すると周辺の児童に感染する。

 
CASE9.手洗い場に嘔吐した跡があった
【ファシリテーターの解説】
教師力を育むケースメソッド18








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