昆虫の体制(たいせい:体のつくり)
腹側
(はらがわ)
背側
(せがわ)
オオクワガタ ♂ (80mm)
昆虫(こんちゅう)の体(からだ)のつくり(は、大きくわけると、3つの部分(ぶぶん)からなりたっています。頭部(とうぶ)胸部(きょうぶ)腹部(ふくぶ)が、その3つの部分です。それは、腹側(はらがわ)から、見るとよくわかります。みなさんが昆虫の背側(せがわ)から見て、おなかだと思っているところは、羽(上翅)でかくされているだけで、じつは胸部(きょうぶ)と腹部(ふくぶ)が合わさったものなのです。

ここで注目していただきたいのが、肢(あし)です。肢は、ぜんぶ胸部からはえています。また、翅(はね)も胸部からはえています。つまり、運動するための器官(きかん)である肢や羽は、胸に集中しています。

胸は全部で3つの部分からつくられていて、それぞれを前胸(ぜんきょう)中胸(ちゅうきょう)、後胸(こうきょう)といいます。それぞれの胸から肢は一対づつはえていますまた、翅(はね)は中胸と後胸からはえています。翅は、甲虫(こうちゅう)の場合、しばしば9〜10条(じょう)の点刻列(てんこくれつ:すじのように見える)をもっている場合があります。

昆虫は、震動(しんどう:ゆれること)に敏感(びんかん)です。木や葉っぱにくっついていますから、木や葉っぱがゆれると、危険(きけん)を感じて、肢(あし)をちぢめて木からおちたり(クワガタ)、ジャンプしてとんでいったりします(バッタ)。じっさい耳のやくわりをする器官は、肢(あし)についていることが多く、腿節(たいせつ)や脛節(けいせつ)に、鼓膜(こまく)とよばれる器官をもっている場合があります。鼓膜は、みなさんの耳の中にもありますよ。

また、頭部(とうぶ)には、みなさんの目(め)にあたる、複眼(ふくがん)や単眼(たんがん)、口(くち)や歯にあたる大腮(おおあご)・唇舌(しんぜつ)・小腮枝(しょうさいし)などがあります。それから、触角(しょっかく)は、みなさんの手や鼻(はな)と同じで、さわってたしかめたり、風にはこばれてくるおいしい臭いをかいだりしているといわれています。

さらに、腹部(ふくぶ)には、上翅にかくれているので、ふだんは見えませんが、それぞれの腹節(ふくせつ)の両脇(りょうわき)に1つづつ孔(あな)があって、気門(きもん)とよばれる部分があります。これは、みなさんの鼻にあたる部分があります。ここから空気をすいこんでいるんですね。

このように、それぞれの部分をくわしくみてゆくと、胸部は3つの部分(前胸・中胸・後胸)からできており、さらに、腹部もいくつかの部分からできているのがわかります。こうして昆虫の体は、にたような構造をくりかえしているようです。ダンゴムシや、ムカデ、ミミズや釣りのエサのゴカイも、このようなくりかえしがありますが、こうした体のつくりを体節制(たいせつせい)といいます。

上の写真では、甲虫を代表してオオクワガタのからだのつくりについて説明しましたが、ほかの昆虫や生き物のからだの作りについてもまとめてみましたので、下の写真をクリックしてみてください。