沿  革


旧実習園(写真は獣魂碑建立の法要の様子)

 本学は、昭和24年5月に奈良学芸大学として開学するにあたり、前身の奈良青年師範学校の附属農場を引き継いだ。 当時の農場は同師範学校の位置する高市郡八木町小房(現在の橿原市小房町)にあった。
 奈良青年師範学校の最後の生徒(農業科、林業科及び女子部)が卒業した昭和26年3月末日をもって同師範学校は廃校となり、農場の全施設が奈良学芸大学の附属農場となった。

 奈良学芸大学は昭和33年10月に現在の高畑町に移転した。 また、昭和41年4月に奈良教育大学と改称され、同時に中学校教員養成課程職業科が廃止され、 旧職業科は中学校課程・理科の一専攻(農業)として位置づけられることになった。 その後も元の農場(八木農場と呼ばれていた)が農業関係の実習の場として利用されていたが、農業関係の教官・学生が少なくなり、 遠隔の地の大きな農場を管理・維持することが次第に困難になった。 そのため、同農場を売却して、昭和44年3月に奈良市白毫寺町の現在地に移転することになった。
現在の奈良実習園(正面入り口より)



 昭和41年4月1日に奈良学芸大学は奈良教育大学と改称され、同時に中学校教員養成課程・職業科が廃止された。 一学年の学生定員がわずかに3名の理科(農業)も昭和48年に廃止され、その後は、技術科の栽培関係の講義・実習をはじめ、附属学校の授業などに利用されるようになった。

 平成6年6月に附属自然環境教育センター(省令施設)の開設に伴い附属農場は同センターの奈良実習園となり現在に至っている。








設置目的


サツマイモの植え付け実習
じゃがいも掘り
 奈良実習園は、生物及び自然に関する学術の研究並びに実験、実習、観察等に供するとともに、広く学校(園)における自然教育の研修の場として役立っています。
 この実習園で学ぶ学生は、将来、小・中・高の教師をめざしているものが大部分であり、どの段階の学校に勤めるにしても、作物(植物)を育てることと無関係ではありません。 学級園や窓下花壇を子どもといっしょに耕す時、生活科や理科の授業での栽培活動、社会科で日本の農業を教える時、技術・家庭科での栽培や食物を学習する時など、直接・間接に係わっているのです。 さらに全教科がかかわる「環境学習」についても、実習園は絶好の教材を提供することができます。だから、教育学部が実習園を持つ意味は大きいといえます。
 農業・食料が大きく問題になっている昨今、水田と畑の広がる風景は、農業問題や環境問題を考える格好の場となるでしょう。

 また、附属学校(園)はもとより、近隣の幼稚園等にも広く施設を開放し、じゃがいも掘り、さつまいも掘りや自然観察等、自然と触れ合う場を提供することで、自然に対する興味を与えるなど、「自然教育」の重要な役割を果たしています。


奈良実習園で行われている授業科目(学部)


  「栽培実習」 「栽培演習」 「初等教科教育法(生活)」 「幼児と環境」


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