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ニホンヒキガエル(ヒキガエル科)
学名:Bufo japonicus japonicus

体長7〜15cm。
本州の鈴鹿山脈以西・四国・九州・壱岐・五島列島・屋久島・種子島に分布。


ヒキガエル。
 ニホンヒキガエル。目の後ろのこぶは耳腺(じせん)と呼ばれるもので、ここから自衛用の毒液を分泌します。ナガレヒキガエルに比べて鼓膜がはっきりしているのは、求愛行動と関係があると考えられています。本州東部に分布するアズマヒキガエルBufo japonicus formosusとは亜種の関係(種としては同一)とされています。


ヒキガエルの卵嚢。
 繁殖期は普通2月から5月ごろで山道の水たまりや湿地、池、水田などでおこなわれます。卵嚢は細長いひも状で水草などに巻き付けられます。中の卵は直径約2.4oで1つの卵塊に8000個以上も入っています。


ヒキガエルのオタマジャクシ。
 こんなふうに群をなして生活します。池の浅瀬がオタマジャクシで黒く見えることもあります。


ヒキガエルの幼体。
 変態してすぐのヒキガエル(右側)は1円玉にのるほど小さく、親の貫禄ある姿が想像できないくらいです。左のヒキガエルも体長4cmほどでまだまだ若い個体です。


ヒキガエルの生態について書かれた本

石居進 著.(1997)「カエルの鼻 たのしい動物行動学」八坂書房.
ヒキガエルはどうして毎年同じ池に産卵しにくるのか、変態した子ガエルが上陸するとき池の北側に偏って上陸するのはどうしてなのか、などなどヒキガエルの行動の不思議に迫ります。謎を解いていく過程がわかりやすい文章で書かれてあり、行動学の研究が楽しく理解できるのではないかと思います。裏表紙のカバー写真(3枚組、メスを巡る2匹の雄の戦い)は傑作で、一件の価値があります。

奥野良之助 著.(1995)「金沢城のヒキガエル 競争なき社会に生きる」どうぶつ社.
ニホンヒキガエルの生態について書かれた本です。日本生態学会誌に掲載された論文がもとになっています。ニホンヒキガエルの生活史について活動の条件、繁殖生態、寿命などの研究成果がまとめられています。