おがくずによる栽培技術は現在のキノコ産業や研究を支える重要なものだ。この技術はエノキタケの栽培のために開発されたものだそうだ。 エノキタケのおがくず栽培は森本彦三郎氏(1886−1949)によって1928年に京都市で開発された。当時エノキタケ栽培のための材木が不足し、栽培農家の経営が苦しくなっていた。広く農民にこの技術を使用してもらおうと「エノキタケのおがくず栽培」に関して森本氏は特許を取らなかったという。
この栽培技術のおかげで店に行けば、年中エノキタケを買うことができるが、野生のエノキタケは、冬のキノコである。エノキやカキノキなど広葉樹の枯れ木に発生する。英名も Winter mushroom である。