3月〜4月にかけて花を咲かせる常緑高木です。日本原産の植物で、北は本州の青森から南は屋久島まで生えています。高さ30〜40m、直径1〜2mの巨木となります。
スギはまっすぐ空高く幹を伸ばし、林業では重要な材木の一つです。昔はいたるところに天然のスギ林があったようなのですが、現在ではほとんど見られなくなり、現在見られるスギ林は植林なのだそうです。
「スギ」と聞いていったい何を思い浮かべるでしょうか。多くの人が「花粉症」を思い浮かべるかもしれません。春先になるとお天気予報では「スギ花粉情報」が毎日発信されています。実際に花粉症に悩まされている方も多いのでは…?私もその一人。スギ花粉が風に乗り辺りがかすんでしまうくらいに「ぶわっ」と飛んでいる映像を見るたびにぞっとします。…が、何であんなにたくさんの花粉を飛ばさないとだめなんでしょう?
スギは裸子植物の仲間です。裸子植物は現在存在している植物の中では古いタイプの植物で、昆虫が活発に活動していなかった時代に進化していった植物です。その時代には花粉を運んでくれる昆虫がいなかったため、どうやって受粉して子孫を残していくか…と戦略をねった結果、花粉を風に乗せて運ばせることにしたんです。風によって花粉が運ばれる植物を「風媒花」といいます。
どこにむかって吹くのか分らない風に花粉を運ばせるということは、不確かですよね。少ない花粉量では、花のないところに向かって風が吹いてしまったら受粉はできません。だから量をたくさん飛ばすことで、風で花粉を運んでも十分に受粉できるよう進化していったんです。
同じ風媒花の仲間にヒノキがあります。ヒノキはスギよりも1〜2ヶ月後に花粉が飛び始め、スギと同様、花粉症の原因となります。私はどちらともダメなので、春は恐怖です。
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