本学名誉教授牧野英三氏は昭和30年代から40年代前半にかけて、奈良県下 の民謡を録音し、採譜して「五線譜に生きる大和のうた」(音楽の友社)として 出版された。この中に収められている「うた」は、すべてが作業や生活の中に息 づいていたものであった。プロジェクトの特色と意義しかし、今ではそれらの多くは消え去りつつある。 本プロジェクトでは、牧野氏の所有する録音テ−プを一時借用して、音や映像 をデジタル化し、編集して、本学教育資料館に永久的に保存する。 また、「うた」と結び付いた地域の生活等を調査研究し、その結果を教育・研 究に寄与できるものである。
従来、地域の生活と関わる「うた」などは、「歌詞」のみであったり、牧野氏 の著書のように楽譜が添えられていたりするものが、ほとんどである。プロジェクトの実施計画と方法本プロジェクトでは、「歌詞」と「うた」を通して人間が自然とどのように関 わりながら生活をし、文化を築き、また、継承してきたかを知ることができる。
そして、地域の人々が、昔から自然を大切にしてきた暮らしを見直す教材とも なり、さらには、環境との関わり方などを検討する材料としても役立たせること ができる。
成果の概要
- 牧野英三氏所有の録音テ−プ及び録画テ−プをデジタル化する。
- 牧野英三氏の著書に基づいて整理し、編集する。
- 奈良県下の民謡や童歌を録音した地域を訪れ、「うた」にまつわる作業・あそび・生活等の調査研究をする。
今回、「大和のうた」に関する音声のデジタル化により、貴重な資料 の永久保存が可能となった。この資料をさらに、教育資料館のデ−タベ−スとして、教育関係者及び一般利 用者に対し、情報提供して、教育・研究に寄与できるものとして期待している。
仕事の歌
教育資料館