三代豊国(Toyokuni V 天明六年−元治元年(1786−1865)

 初代歌川豊国の門人。本所五ツ目渡し場の家に生まれ、名は庄蔵(のち肖造)、文化のはじめ(1805年ころ)から草双紙に筆をとり、国貞と称し一旭斎・五渡亭・香蝶楼などと号し、英一珪に学んで英一蝶とも号した。初代ゆずりの役者似顔絵や、時の好みをたくみにとらえた「いきな美人画によって知られ、その作品も多く、幕末浮世絵界でもっとも人気を集めた。初代没後同門の豊重が二代豊国を襲名するが、弘化元年(天保十五・1844)それを無視して二代豊国をなのる。(実は三代目)。その門人に国周・国久・貞信らがある。


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