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両生類の特徴(歴史・体制・生活)

<両生類という動物>

◇ 両生類の体のつくり


◆ 陸上生活への第一歩

・進化のみちすじ
 両生類は日本ではイモリ・サンショウウオ・カエルらの動物のグループ(綱)をさします。今から3億年前に淡水産の魚類から進化したと考えられています。
 熱帯の雨季と乾季のある地域で、乾季に水が枯れてしまうかわからない不安定な淡水域にも魚類がすんでいます。それは肺魚の仲間です。彼らは浮き袋が空気呼吸の可能な肺になっています。乾期の度に泥の中で過ごさなければならないですし、泥も乾き、湿り気程度になることもあるのでしょう。肺魚は、エラ呼吸だけでなく、肺呼吸ができたことが生きていける条件になっていたのです。ただ、鰭だけはより安全な所へは動きようがなかったのかも知れません。そこで、このような魚の鰭が足になって両生類になり、陸上に進出したのでしょう。
 このようにして両生類はセキツイ動物の中で、水中生活から陸上生活への適応性を広めた最初の動物だということでとても意味深い動物です。それにしても「井の中のかわず、大海を知らず」とはよく言ったものです。本当に進化の道筋をも教えてくれる良い諺だと思います。ただ、カエルの場合、両生類の中でも比較的新しいグループで、この例にややそぐわないかも知れません。

・陸上生活のための体のつくり
    陸上にすむためには空気呼吸のための器官「肺」が必要です。また、陸上での移動方法は水中と違い、自分の体を支え、かつ、進めるための運動器官「あし」が必要になります。
 陸上生活が可能になったのは@肺、A足、B心臓(2心房1心室)等の分化がおこったことにあると考えていいでしょう。心臓の発達は代謝効率をよくし、運動の持続性にも貢献しています。ただ、肺は皮膚呼吸よりウエイトは低いですし、足と体の動きが連動していないところが、陸上生活を極めた爬虫類とは少し違います。

・一生を通して陸上で過ごせないわけ
 両生類は、卵と幼生が多くの水を必要としたために、一生を通して陸上でくらすことはできません。卵はゼリー質の膜に包まれているだけで乾燥に弱く、多くの種は水域に産み付けます。モリアオガエルは樹上に産卵できるようになりましたが、水面上の樹枝でないと幼生が水中へ落ちることができず、死んでしまいます。しかも湿潤な林床でないと、卵塊が中まで乾燥してしまうこともあります。
さて、幼生はとなると、魚類のような生活をします。呼吸のし方もエラ呼吸で、完全な水中生活者です。日本産の両生類はすべてこの時期に水中を離れることができないのです。だから、幼生の成長期に水から離れられない動物を両生類と考えるといいでしょう。

 


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