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6 もっとキノコとつきあうために…

6-1 キノコの楽しみ方一考−マッシュルーム・ウォッチングのすすめ−

 キノコを狩り、キノコ料理を味わうことは、とても楽しいものです。狩るという行為には狩猟本能を発揮できますし、その料理は食欲も満たします。
 キノコ料理を美味しく味わうために必要なことは何でしょうか。それは料理の腕前ではなく、まず食用種かどうかを正確に同定することです。キノコを同定するためには、キノコを手にとって、形や色、においや味をみること、生えている環境を観察することが大切です。

イラスト−キノコウォッチング?

 キノコを観察するようになると、いろいろな自然が見えてきます。キノコに見慣れない昆虫が集まっていたり、昨日生えていたかと思えば、一夜にして消えてしまうこともあります。このキノコはマツの林に多いとか、逆にこのキノコの生えている場所にはモミがあるなどという「自然の決まりごと」に気がつくこともあるでしょう。
 鳥を観察する人は鳴き声に耳を澄まし、上を向いて歩くようになります。キノコに目を向けると足下の自然が目に入るようになります。さらに目に見えない落ち葉の下や地面の下の世界にも目を向けさせてくれます。キノコもその姿や色彩に鳥や花と並ぶ美しさがあり、それを見つけるだけでも楽しいものです。バード・ウォッチングにならって、マッシュルーム・ウォッチングも楽しいと思うのですが、いかがでしょうか。

6-2 参考になる本の紹介

 もっとキノコについて知りたい方へ、参考になる図鑑や書物をあげておきます。図鑑や専門書には高価なものもありますが、大きな図書館に行けば見ることができます。

6-3 全国にある「キノコの会」

 キノコに限りませんが、生き物の名前を一から覚えるのは大変なことです。図鑑とにらめっこしているうちに疲れて、いやになることもあるでしょう。そんなときは詳しい人に教えてもらうのが早道です。
 最近は様々な同好会や施設が主催する自然観察会が毎月のようにどこかで行われています。秋になればキノコの観察会も企画されることがあるようです。それらに参加してみることをおすすめします。音楽でもスポーツでもそうですが、自然観察も同好者と一緒だとお互いに得るものが多く、一層楽しいものになります。
 野生キノコを食用にする習慣は東日本に多く、中毒者も多くはこの地域で見られます。このため東日本の各地にはたくさんの「キノコの会」があり、研究や教育活動が盛んです。関西にもキノコ同好者の会として、関西菌類談話会、日本キノコ協会、幼菌の会などがあります。全国的な組織として日本菌学会もあります。どの会でも採集・観察会も行っていますので、キノコについてよりよく知りたい方は参加してみることをおすすめします。

<キノコの会連絡先>
関西菌類談話会	〒573
	枚方市印田町35-14
	下野義人 方

幼菌の会  ホームページをご覧下さい。

日本キノコ協会	〒651-11
	神戸市北区山田町下谷上中一里山6-78番地 レストラン今鶴内
    電話 078-592-8011 ファックス 078-592-8015

日本菌学会  事務局:財団法人日本学会事務センター
		〒113
	東京都文京区本駒込5-16-9
	学会センターC21
	電話 03-5814-5810

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