日本の唱歌と太平洋の賛美歌 ―唱歌誕生はなぜ奇跡だったのか―
安田 寛(やすだ ひろし)
奈良教育大学出版会企画第2号。
「蝶々」「蛍の光」「むすんでひらいて」など−。わたしたち日本人が小さい頃に慣れ親しんだこれらの「唱歌」と同じ旋律が、ハワイやミクロネシアの島々、ポリネシアの島々では「讃美歌」として歌われていることを知っていますか?
讃美歌はプロテスタントの礼拝の中で歌われる歌です。
その歌と日本の唱歌が、同じ旋律で、しかもほぼ同時期に伝わったなんて!これは一種のミステリーです。 この謎を解明すべく、奈良教育大学音楽教育講座の安田寛先生が「日本の唱歌と太平洋の讃美歌」について研究されました。唱歌誕生はなぜ奇跡だったのか−、本書を読めばその疑問がすっきり解けます。
発行:2008年11月23日
著者:安田 寛(やすだ ひろし)
1948年、山口県生まれ。国立音楽大学声楽科卒、同大学院修士課程修了。
山口芸術短期大学助教授、弘前大学教育学部教授を経て、2001年より奈良教育大学教育学部教授。現在は退職。
19世紀、20世紀の環太平洋地域の音楽文化の変遷について研究。
著書に、『唱歌と十字架』(音楽之友社、1993年)、『日韓唱歌の源流』(音楽之友社、1999年)、『原典による近代唱歌集成』(編集代表:ビクターエンタテインメント、2000
年)、『唱歌という奇跡 十二の物語』(文藝春秋、2003年)などがある。
2001年第27 回放送文化基金賞番組部門個別分野「音響効果賞」、2005年に第35 回日本童謡賞特別賞。奈良市在住