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注意すべきこと

このような絵や写真による図鑑だけを見て、彼ら(両生類・爬虫類)をわかったつもりにはならないで下さい。

できるだけ野外に出て彼らの生活している姿を観察していただきたいと思います。 どのような場所に行けば、彼らに出会うことができるのか。彼らの好む環境と人間との関わりはどうなっているのかなど、実際に野外に出ないと見えてこないことがたくさんあるのですから.....
(写真:間違ってウシガエルに抱接しているシュレーゲルアオガエルのオス)


有毒種に気を付けよう

 毒のある種類に気を付けよう。ヘビやカエルやイモリには少なからず毒を持った種類がいます。また、毒は持っていなくいても噛みついたりして攻撃されることもあります。観察や捕獲をするときにはこの点に十分注意していただきたいと思います。

予防法

 毒ヘビのいることが予想される場所に行く場合、ちゃんとした服装で行動することが予防法になります。
足元を防備すること。裸足やサンダルなどで歩かない。登山靴や長靴に長ズボンをはくように。草刈りなどの際に手元を注意すること。茂みを避け道を歩くこと。ヘビを見ても手を出さないことなどに気を付けましょう。

ヘビに咬まれたら

 山や草むらで出会う毒ヘビには、マムシヤマカガシがあげられます。南西諸島に行けば、ハブ、サキシマハブ、ヒャンなどの毒ヘビにも遭遇するでしょう。海にはエラブウミヘビをはじめとした毒ヘビが棲んでいます。

 毒ヘビに咬まれた場合、注入された毒を吸い出したり、症状を軽くしたりするために、素人にできる手当はまったくない そうです。

 応急措置としては、
1)患者を休ませ、安心させる。
2)咬まれた部分を動かさないようにする。
3)ショック症状に気を付ける。
4)患者をできるだけ早く医療施設に連れていく。
ことです。

 間違っても、やたらにしばって止血したり、傷口を切って血を吸い出したり、酒を飲んだり、氷などで冷やしたり、勝手に血清をうったりしてはいけません。

 山や草むらでヘビに咬まれたら、落ち着いて慌てずに、毒ヘビに咬まれたのか、確かめます。(後牙類のヤマカガシの場合、人が掴んでいるなどの状況でないと毒が入ることはまずないでしょう)
 実際にはびっくりして慌てているうちにヘビが逃げてしまい、種類を確認することは難しいですが、どんなヘビに咬まれたのか観察できるときはよく見ておくべきです。
 ヘビの種類が分からないときは、牙の跡がどんな形になっているか確かめます。マムシやハブなどの前牙類(管牙類ともいう)の場合、ふつう2本の牙の跡が残るようです。
 毒が入った場合、蜂に刺されたような痛みがずっと続くそうです。
 マムシやハブの場合、咬まれた部分が腫れてくるそうです。30分以内には腫れてくるようなので、30分経って腫れがないようなら毒ヘビではなかったか、毒が注入されなかったかと思われます。ただ、毒ヘビでなかったとしても傷口の殺菌などの手当は必要です。

カエルやイモリ、スッポンにも注意

 ヒキガエル類の目の後ろには、耳腺(じせん)があり毒液を分泌します。また、アマガエルなども皮膚から毒を分泌しています。カエル類を手に持った後は、手を口や目に入れないようにしましょう。目などに入ると痛みを感じることがあります。もし入った場合は水で洗い、よくならない場合は眼科に相談下さい。

 イモリの皮膚にも毒があります。この毒はフグ毒と同じ成分です。目に入った場合、激痛を感じます。水でよく洗い流して下さい。

 スッポンに噛まれると指がなくなる、などと言いますが、大きなスッポンに噛みつかれたら本当に怪我をします。くちばしは鋭く、爪も鋭いので捕まえたり手で扱う場合に注意が必要です。
 最近のペットブームの影響か、アカミミガメやカミツキガメなども野生化しています。これらのカメも噛みつかれると危険ですので注意が必要です。

<参考文献>
『野外における危険な生物』財団法人日本自然保護協会 編,平凡社.
『日本の両生類と爬虫類』大阪市立自然史博物館(1989).


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