平成27年度実績報告 情報センター

情報館

平成27年度実績報告

平成27年度は各プログラムの実施とモデル化を目的に,以下の6つの実施計画に即した6プロジェクトによって事業を展開した。またこれらのプロジェクトや本事業全体の今後の方向性について中間評価結果を受けて軌道修正し、「連携することによって生まれるイノベーション」と「成果モデルの全国への発信」を、「第3回京阪奈三教育大学連携フォーラム」(平成28年3月3日開催)によってより明確に示した。

 

(1)双方向遠隔授業の継続実施(前期8科目,後期17科目)及び模擬授業交流の実施

 平成24年度から開始した「各大学の学生が自大学にいながら、他大学発信の特色ある科目を受講することができ、教養科目として単位認定される」枠組みを継続し、開講科目数と授業内容の質の向上を目指した。具体的な実績は以下のとおりである。

1) 開講科目数・受講者数

 平成27年度の開講科目は以下の通り。

健康科学論/特別なニーズのある子どもの教育/学校安全/平和のための教育/問題解決のためのデータ分析入門/持続可能な開発のための教育と世界遺産〔持続発展教育と世界遺産〕/造形芸術学特講〔日本美術の流れ〕/光の科学と人間/野外教育論/心理生理学/性倫理と性教育/地球科学/政治と社会/環境教育概論/ヨーロッパ-フランスの窓から/障がい者支援入門/学校安全/歴史を変えた有機化合物/ドイツ文学を読む/知的財産権入門/日本科学技術史概論/都市防災対策と防災教育/アジアの中の日本美術史/持続可能な開発のための教育(ESD)概論〔持続発展教育(ESD)概論〕/ユーラシア美術史

 受講生総数は2,933名であった。

2)アクティブ・ラーニングを取り入れた実践

 大学教育におけるアクティブ・ラーニングが求められていることに即し、双方向遠隔授業においてその導入を試みた。実施した科目は、(1)「持続可能な開発のための教育(ESD)と世界遺産(前期)」、(2)「持続可能な開発のための教育(ESD)概論(後期)」、(3)「都市防災対策と防災教育」であった。

3) 障害のある学生への対応

 障害のある学生も双方向遠隔授業を支障なく受講できるように授業環境の整備や調整を行った。また、開講科目「障がい者支援入門」において障害者への支援を行った。

4) これまでの成果の他大学等への提供

 本事業で培ってきた双方向遠隔授業のインフラ、及び実践内容を北海道地区国立大学に提供した。また、三重大学教育学部と奈良教育大学においても双方向遠隔授業を実施した。

 

(2)三教育大学による講義動画Webコンテンツの撮影及び,コンテンツの充実

 「先生を"究める"Web講義」と題し、動画コンテンツを平成25年度に主な領域として「現代的教育課題」3本、「教育の基礎理論」4本の計7本、平成26年度に「現代的教育課題」6本、「教育の基礎理論」1本、「教科専門」1本の計8本を公開しており、それに加えて平成27年度は大阪教育大学、奈良教育大学の教員も加わり、「現代的教育課題」8本、「教科専門」1本、「教科教育」1本の計10本のコンテンツを作成し、合計25本を公開している。また、利活用者からの要望もあり、ライブ型の講義コンテンツの作成を増やすよう企画段階から充実を図った。さらに、大阪教育大学、奈良教育大学の卒業生・修了生を含めたシステム利活用者の拡大を行なった。

 平成28年度から、拡大の方法として教員免許状更新講習の選択科目として、動画コンテンツ3本を「反転研修アクティブ・ラーニングで教育課題を考える」と題して文部科学省へ申請し承認された。

 

(3)博士人材向け教員能力開発プログラムの共同提供

 高度化する理数教育において中核的な役割を担う人材の育成と,博士学位取得者(または取得予定者)へのキャリアパスの拡大とを図る「高度理系教員養成プログラム」を三教育大学が協働して提供した。平成27年度の具体的な実績は下記のとおり。

 1)運営委員会の実施

 2)京都府教育委員会及び奈良県教育委員会へのプログラム紹介

 3)シンポジウムの開催

 

(4)博士レベルの人材育成モデルプログラムの共同開発

 学士・修士レベルにおける実践的教育環境の改善と教育の質保証を図る取り組みを実施する中で,博士レベルで求められる人材育成モデルプログラムの検討を継続した。具体的には下記の2点に集約される。

 1)ソーシャルネットワークシステムの改修

 2)授業記録デジタルライブラリーのコンテンツ蓄積

 

(5)ICT活用指導力のための養成・研修テキスト・システムの利用促進

 ICT活用指導力規準・基準に基づき、現場の実践やニーズを反映させたハンドブック「教員養成・研修テキスト(情報教育)-ICT 活用能力UPのためのハンドブック-」(A4、259ページ)を作成し、県内をはじめ全国関係機関へ送付した。

 平成27年度は、全国の教育委員会や小中高等学校、教員養成系学部、教育関係企業などから、200件以上のダウンロードがあり、校内研修、センター研修、教員免許更新講習、大学での授業などで広く活用された。

 教員養成での活用としては、奈良教育大学の授業やICT 活用サポータ勉強会での利用の他、京都教育大学、目白大学、兵庫教育大学、札幌大学、早稲田大学などの授業で利用があった。

 教員免許更新講習(奈良県、東京都、兵庫県)や学校図書館司書教諭講習での利用があった。

 また、より効果的な研修(授業)への支援となるように、ビデオ教材やモデル研修を開発・試行した。

 さらに、三教育大学による連携だけでなく、奈良県内の自治体(奈良県、山添村、十津川村)との連携協定などとも接続し継続的に推進するための体制を整えながら、ICT活用指導力UPに資する研修の開催と、ICT 支援に関する活動を推進した。

 

(6)スクールサポーター研修の実施及び学生間の意見交換会の開催

 学校インターンシップや学校ボランティアなどの取組は、学校現場をより深く知ることができ、実践的指導力の基礎の育成に有効である。また、学生を受け入れる学校側においても学校の様々な活動を支援する地域人材の確保の観点からも有益である。

 1)単位化されている学校インターンシップ

 京都教育大学の「教育課題研究実地演習(平成16年度から実施)」「学校インターンシップ研修(平成16年度から実施)」、奈良教育大学の「学校支援実践(平成27年度から実施)」、大阪教育大学の「学校サポート体験(平成28年度から実施)」について情報交換を行った。

 2)単位化されていない学校での教育支援ボランティア

 京都教育大学の「スクールボランティア」、大阪教育大学の「学校サポート活動」、奈良教育大学の「スクールサポート」について情報交換を行うとともに、三教育大学の学生に奈良教育大学のスクールサポート研修に出席することを促した。さらに、大阪教育大学の「学校サポート活動」交流会(平成27年12月2日)に奈良教育大学の2名の教員が出席し、研修会の持ち方について情報交換を行った。奈良教育大学の「スクールサポート中間研修」を、京都教育大学の学生を対象に実施した。

 3)学生の自主的教育支援グループ活動

 京都教育大学の「ありんこクラブ」「てんとうむしクラブ」、大阪教育大学の「スタディ・アフター・スクール(略称SAS)」、奈良教育大学の「TNP(東市日本一プロジェクト)」の活動状況について情報交換を行った。「てんとうむしクラブ」の活動に、奈良教育大学「TNP」と大阪教育大学「SAS」の学生が参加し、その後意見交換会を実施した。

 学校教育活動支援実践(ICT活用支援・スクールサポート)に関わる学生同士の意見交換会を、テレビ会議システムを使って実施した。

 

〔事務局の連携協力〕

 事務連携を推進するため共同調達・契約事務,施設保全業務,SD研修,図書館業務及び職員相互交流に関する5つの作業チームにより次のとおり共同事業を実施した。

 (1)共同調達・契約事務について

 (2)施設保全業務の共同契約について

 (3)SD研修の共同実施について

 (4)図書館業務の連携について

 (5)職員相互交流


実績報告(平成24年度~平成29年度)へもどる

京阪奈三教育大学連携推進事業TOP