2015/7/16 留学生向け日本語クラスで詩を作りました。
留学生用科目「日本語文献講読(言語)」の授業の一環で谷川俊太郎作「生きる」を読みました。
読解後、受講生がグループになって自身の「生きる」をテーマに詩を作りました。
何気ない日常の風景を切り取った留学生の「生きる」をご紹介します。
- それは毎朝 日のひかりがかがやくということ
日がすずんでいることをながめられるということ
- それは美しい日の出が来るということ
喜びのさけびを出すということ
- それはめざましどけいよりはやくめざめるということ
海を見て思わずとびこみたいということ
- それは川の流れということ
広い海にもどるということ
- それは希望を抱くっていうこと
どんなにじゃまがおこっても水が流れるっていうこと
- それはおなかがすくということ
夜があっても朝も必ずあるっていうこと
- それは食べたかったらすぐ食べられるっていうこと
やりたいことを自分でやれるということ
- それは親になるっていうこと
涙をふいて子どもに笑顔を見せるっていうこと
- それは家族が元気だということ
両親の笑顔が見られるっていうこと
- それは夢に向かうということ
一生懸命頑張るということ
- それは死ぬのをおそれるということ
ペダルをこぎながら汗をかくということ
- それは花が落ちるのをおしむということ
年をかさねても泣き出せるということ
- それは自らの中にあるということ
自分にたよるということ
- それは目覚まし時計を聞いて起きるということ
愛する人にメッセージを送って返事を待つということ
- それは笑い声にみちたということ
涙も溢れているということ
- それは行き手がぼんやりと見えるということ
夜空も輝いていること
- それは落花を見ると心騒ぐということ
朝の日の出を見るということ
- それはおいしそうな匂いを嗅いで味を想像するということ
朝出掛けて物忘れをして取りに戻るということ
- せいいっぱい、人生を楽しもうという意志を持つこと
くさりの輪である他人とのつながりを持つこと
- 悲しみにも幸せにもつつまれるということ
雨上がりのにじだということ
- しずんだ太陽がまた登るということ
春・夏・秋・冬また春になるということ
- 死んだ体が腐って土に戻るということ
生きるということ
人生は続くということ
生きるという意味
それはお腹が痛くなるまで
友だちと一緒に笑うということ
苦労しても、他の日も
かならず来るということ
生きるという意味
それは自分に自信をもって
前に進むということ
毎日をめぐみとして
見られるということ
生きるっていうことは
それは毎日の日の出が見えると言うこと
まわりをしあわせにするということ
それは何も話さなくても、
お互いに気持ちを分かると言うこと
友情関係がだんだん強くなると言うこと