2022年1月26日18時から、オンラインにて「教師のための多様性理解シリーズ ミニレクチャー イスラームについて知ろう」を開催した。本講座は、奈良県教育委員会ならびに奈良市教育委員会の後援を得て開催された。
本講座では、2名の専門家の先生に登壇頂き、イスラームという宗教についての基本的な知識と、学校教育においてムスリムたちが直面する課題について、お話頂いた。
先ずは当センター特任講師の小村明子氏によるイスラームについての基本的な知識をお話頂いた。イスラームには六信五行というムスリムが信じるべき6つの事と、行うべき5つの行為がある。また、イスラームは文化である以前に宗教であり、宗教であるが故に世界のどこへ行っても、また時代を超えても変わることがないということ、非ムスリムから厳格な宗教教義を持っているとみられる傾向にあるが、実はできない時のやり方があるなど、柔軟性に富んでいるとの説明があった。
続いて、宗教法人日本ムスリム協会副会長の佐藤裕一氏にお話をいただいた。ムスリム子弟や両親が学校教育現場で何を求めているのか、給食や礼拝場所の提供だけでなく、水泳や美術などのイスラームでは推奨されない教科に対して実際に何が問題になるのかをお話しいただいた。
2名の講師による講話の後、質疑応答に移り、いくつかの質問に対して、講師から、詳細に回答いただいた。当事者からの生の声を聞くことができてよかったという意見が多く、実際に課題に直面している当事者から話を伺うという意味で見識も深くなり、有意義な公開講座となった。