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平成27年度入学式を挙行しました。

Date2015/04/02

 平成27年4月2日、奈良教育大学講堂において、平成27年度入学式を挙行しました。

 満開の桜の下、363名の新入生が、緊張した面持ちで奈良教育大学での新たな生活をスタートさせました。

 長友恒人学長からは、「実践的体験は困難にぶち当たったとき、解決の糸口を切りひらく潜在的な力になる。」、「人間(ひと)としての存在の魅力」の基礎を学生時代に築いて欲しい」とエールが送られました。

 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。

 教職員一同、みなさんの本学での生活が充実したものになるよう、応援しております。

【新入生】

  • 教育学部 271名
  • 大学院教育学研究科 80名 (修士課程52名、専門職学位課程28名)
  • 特別支援教育特別専攻科 12名 

  入学式の様子 部活に勧誘する様子
 告辞を述べる長友学長              部員を獲得しようと勧誘に励む在学生

■ 学長告辞


入学式学長告示

 本年度は、教育学部271名、大学院教育学研究科80名、特別支援教育特別専攻科12名、合計363名の入学生を迎えることができました。本学教職員を代表して、みなさんの入学を心から祝福し、歓迎いたしますとともに、みなさんの学びと研究に対する指導助言、大学生活に関する相談と援助について最大限の努力を惜しまないことをお約束いたします。

 さて、学部入学のみなさんは、小学校から高等学校まで12年間の教育を受けてきました。人類が営々と築いてきた学問の成果を知識として吸収して自分流に組み立てることがこれまで12年間の「学び」でありました。大学での「学び」は、これまでの「学び」に加えて、「自らの関心に焦点を当て、課題を発見し、その課題の解決に向けて自ら答を導く」という研究の要素が加わります。

 ここで、私が現役の研究者として最後に関わったプロジェクト研究の例をお話しします。「環境変化とインダス文明」というプロジェクト研究ですが、国内外の50名以上の研究者がチームをつくって6年間継続しました。プロジェクトメンバーの専門性は多様で、言語学・文化人類学・考古学・インド学等の人文系に、地質学・自然地理学・地球物理学・気候変動学・生物学・農学・植物遺伝学・DNA考古学・年代学等々の自然科学研究者が加わった学際的なプロジェクトです。
「世界四大文明はいずれも大河流域に発達し、独自の古代文字と王権者を持つ文明である」と私たちは習い、教科書にもその様に記述されています。インダス文明は、「インダス河と現在は存在しない伝説の川(サラスワティー川)の氾濫原に発達した文明である」とされていますが、印章の文字はあるものの、エジプトのロゼッタストーンや石棒の刻まれたメソポタミアのハンムラビ法典のような文章になった文字列が見つかっていない、王権があったという確かな記録や遺跡も発見されていない、など他の古代文明と比べて不明な点が少なくありません。

 私は、このプロジェクトの「古環境グループ」の一員として、「現在、雨期にだけ水が流れるガッカル・ハークラー川が伝説のサラスワティー川であるのか、ガッカル・ハークラー川が流れるタール砂漠ができたことによってインダス文明が滅びたのか」というテーマで、現地調査を含めて年代学の立場から参加しました。年代測定の結果、「タール砂漠はインダス文明が誕生する遙か以前に形成されていた」、「インダス文明は砂漠の上に成立した都市文明であった」ということを明らかにすることができました。」現在でも砂漠の上に遺跡が発見されるのですから、この結論は間違っていないでしょう。

 我ながら、「目から鱗」の結論でしたが、「世界四大文明はいずれも大河流域に発達した文明である」という概念はどうして定説になったのだろう。ここに教科書やインターネット情報だけでは得ることができない「研究」のおもしろさ、つまり「課題設定をして実際に調査して答えを導き出す」おもしろさがあります。


 ところで、「課題を発見すること」と「課題を解決して答えを見出すこと」は、どちらが難しいでしょうか。「課題を解決して答えを見出す」ためには、自ら調べ、データを整理分析して答えを見つけることになりますが、課題が明確であれば、一定の答えを見つけることは比較的容易です。一方、「課題を発見(設定)する」ためには既成の概念にとらわれずに問題意識を明確にすることが不可欠です。そうでなければ、「インダス文明は世界四大文明のひとつであるから大河文明である」という固定観念から抜け出すことができません。自分が何を知りたいのか、自分に何が必要なのか、自分が何になろうとしているのか、が明確でなければ、一生懸命勉強して優秀な点をとっても単なる秀才であり、知識のパッケージに過ぎません。そこから新しい何かを生み出す躍動性は生まれません。大学での学びの「課題」は先生に与えられた宿題ではなく「自分にとって解決すべき課題」だから、オモシロイのです。

 「極めたい課題は何か」を自分に問いかけて設定するためには、幅広い知識が必要です。大学で広く、深く知識を吸収し、体験的に学ぶなかで、自分を客観視し、相対化するなかで自分の「課題」が見えてきます。一見して、すぐには役立たない知識を幅広く、また深く吸収してください。体験を重ねることによって直感を研ぎ澄ます訓練も重要です。そのプロセスで、「基礎基本」が足りないと感じることがあったとすれば、それはチャンスですから、「基礎基本」にも取り組んで下さい。そういうことが積み重なって身についたものが諸君の「教養」となり、「資質」となります。


 みなさんの研究で専門性を高めるのは、教職科目であり、教科専門科目でありますが、大学のカリキュラムで用意されている授業だけでは必要なすべてを教授できないことは自明のことです。授業では、「学び方を学ぶ」ことが重要です。「学び方」を習得することによって、自分の関心に応じたアプローチをすることができるようになります。学びを重ねる一連の作業によって、学びを楽しいと感じるようになるでしょう。義務的に学ぶのではなく、学びを楽しんでください。

 課外活動に、フィールドワークに、スクールサポート活動やボランティア活動にトライして、新しい発見をしてください。授業で学ぶこととは異なる体験のなかに学びを深めるヒントがあるかもしれません。海外に出ること、いろいろな本を手当たり次第に乱読することも有効です。学生時代の知的体験、実践的体験が多ければ多いほど、裾野が拡がり、高い専門性をピラミッドのように築くことが可能になります。知的体験、実践的体験は困難にぶち当たったとき、解決の糸口を切りひらく潜在的な力になります。それは、また、人生を楽しく、豊かにします。


 今までお話ししたことと重なりますが、みなさんがこれから過ごす大学生活において重要な3つのことを強調したいと思います。

  • まず、学びを習慣化することです。
     自ら学び続けるためには、基礎基本の知識や技能が身についているかどうかを自問してください。そのうえで、学ぶ目的が明確であることが必要です。学びが楽しいということを見つけてください。義務的な「勉強しなければいけない」では学びを継続できないし、発展的な考えは浮かびません。大学は「学び方を学ぶ場」であります。大学院と特別専攻科のみなさんは、学びの目的はもとより明確であり、既に研究の手法を身につけていると思います。さらに磨きをかけて、もう一段の高みに上っていただきたいと思います。
  • 2つめに強調したいことは、協調・協同・仲間作りです。
     学びには、ひとりでする学びとチームで行う学びがあります。思索が必要なときはひとりで寝食を忘れることもあるかもしれません。グループで行う場合にはコミュニケーションを密にして自分の役割を意識することがよりよい結果を生みます。コミュニケーションで重要なことは、自己を正確に表現し、他者をありのままに理解することです。自己を客観的に見ること、相対化する力がチームワークのなかで培われるでしょう。授業や研究環境の友人関係だけでなく、課外活動の中でのチームプレイも社会性を身につけるいい機会です。課外活動や学校支援活動のなかで、人と人、人と組織、人と地域を繋ぐリーダーシップを自分のものにしてください。
  • 3つめは、体験・実践の重要性です。
     学びを深めるためには、「裾野」を広げることが必要です。「裾野」を広げるために、大学の授業の他に、課外活動、フィールドワーク、ボランティアに取り組むことが有効でしょう。自分とは異なる視点からの考え方にヒントがあるかもしれません。留年覚悟で海外に出たり、留学生と交流することも効果的です。いろいろな本を乱読してください。学生時代の知的体験、実践的体験が「想定外の事態にあたって的確な判断をすることができる基盤」となり、「答えのない問題に出会ったときに、最善の解を導く源泉」となるのです。また、学生時代にどれだけ広く、深く、いろいろな世界を知り、体験したかということがみなさんの人生を楽しく、豊かにします。

 みなさんの多くは将来教壇に立つことになるでしょう。小学校から今日までに「素晴らしい先生」「輝いて見える先生」、「あんな大人になりたい」という恩師がいたと思います。どんな職業人になるにしろ、人間(ひと)としての魅力をもちたいものです。豊富な知識とともに身につけたいことは「人間としての存在の魅力」です。「存在すること自体が魅力」である教師は豊かな知識と技能、高いコミュニケーション力に加えて、豊かな心と包容力を持っています。その基礎を学生時代に築いていただきたいと思います。

 みなさんの奈良教育大学での生活が、豊かで、充実したものになることを信じて、告示といたします。

 

平成27年4月2日  奈良教育大学長  長友 恒人

奈良県内の四大学と教員養成の高度化に関する連携協定を締結しました。

Date2015/03/26

 奈良教育大学と奈良女子大学、奈良大学、帝塚山大学、天理大学の四大学は、教員養成高度化に関する連携協定を締結しました。この協定は、奈良県内の教員を志す各大学に在籍する学生を対象として、奈良教育大学教職大学院において、教育実践力を備えた高度専門職業人としての教員を養成することを目的としており、同教職大学院へ進学を希望する四大学の学生は、同教職大学院が行う特別選抜(推薦入試)を経て、学ぶこととなります。

 3月26日に奈良教育大学で行われた協定調印式には、長友恒人奈良教育大学長、今岡春樹奈良女子大学長、千田嘉博奈良大学長、岩井洋帝塚山大学長、天理大学人間文化学部総合教育研究センター上田喜彦教授(天理大学長代理)が出席し、協定書に署名を行いました。
 
長友学長は冒頭の挨拶の中で、「この協定締結により、奈良県内の学校教員のレベルアップに貢献できることを期待している。」と述べました。今後、県内の大学とともに、奈良県において優れた実践力・応用力を備えた教員の養成を進めていきます。

五大学の学長・学長代理

平成26年度卒業・修了式を挙行しました。

Date2015/03/25

 平成27年3月25日、奈良教育大学講堂において、平成26年度卒業式及び修了式を挙行しました。

 長友恒人学長からは、「明日からも幅広く知識を吸収し、実践を通した学びを継続して、プロフェッショナルな社会人として成長することを期待します」とエールが送られました。

 卒業生、修了生の皆さん、おめでとうございます。

 本学で得られたものを生かしご活躍されることを、心よりお祈りいたします。

【卒業・修了生】

  • 教育学部 266名
  • 大学院教育学研究科 67名 (修士課程50名、専門職学位課程17名)
  • 特別支援教育特別専攻科 13名

卒業式写真2  卒業式の様子1
告辞を述べる長友学長              式典前に友人との時間を楽しむ卒業生

■ 学長告辞


 卒業生、修了生のみなさん、おめでとうございます。大学教職員を代表して皆さんの卒業・修了を心から祝福いたします。また、ご列席の保護者の皆様におかれましても、ご子弟の晴れ姿に感慨もひとしおのことと、心からお慶び申し上げます。

 さて、学部卒業生のみなさん・・・4年前のみなさんの入学式で、私が話をした内容を記憶していますか?・・・2008年にノーベル物理学賞を受賞された益川先生のお話をいたしました。「井の中の蛙の弁証法」という話題でした。少し復習してみましょう。

 「井の中の蛙」の蛙は、「自分の経験だけに基づく狭い知識にとらわれて、広い世界を知らないこと」のたとえですが、・・・益川先生は、「この蛙をつかまえて、井戸の外に置いてやったら、どうなるか?」と益川流に話を展開させました。井戸の外で、「井戸の中の世界とは違う世界があるんだな。」と気がついた蛙は、「もっと向こうに行ったら、違う世界が見えるかも知れない。」とピョン、ピョンと跳ねながら考えを発展させました。このような、「概念の自己運動」によって、この蛙は自分が依って立つところを知る(自分を相対視できるように)なるのですが・・・大学における学習はこれに似たところがある・・・ということをお話しいたしました。

 「在学中に専門を高めて井戸の隅々まで知り尽くし、空を見上げて専門性の奥の深さを感じていただきたいと思いますが、同時に、井戸の外にも出てください。ひとつの専門だけに集中するのではなく、少し違う世界をのぞき見ることで、自分の専門の理解が深まるし、また、自分の専門の位置づけができるようになるでしょう。」と申しました。

 大学の授業で用意されているカリキュラムには「限り」があるので、課外活動に、フィールドワークに、ボランティアに、取り組んでください・・・と申しました。いろんな本を乱読してください。学生時代の知的体験、実践的体験が多ければ多いほど、専門についての理解が深まることになります。知的体験、実践的体験は井戸の外の大海に出て困難にぶち当たったとき、解決の糸口を切りひらく潜在的な力になります。それは、また、人生を楽しく、豊かにしますも・・・と申しました。

 学生時代にどれだけ広く、また深く、いろいろな世界を知り、体験したかということが、四年先に社会人になった後、プロの職業人として成長を続けることができるかどうか、人生を豊かにするかどうか、の礎になることを強調しました。

さて、その後今日まで、みなさんの4年間はどうだったでしょうか?

 学部を卒業するみなさんが入学した平成23年(2011年)4月は、3.11東北地方太平洋沖地震の直後でありました。

 私は、震災後、被災地に2度訪れる機会がありました。震災2年3ヶ月後に宮城県の石巻から女川町を経由して海岸に沿って車で北上しながら見た景色は新しい家屋も立ち並んで一見かなり復興しているように見えましたが、現地をよく知る人は、「福島原発事故の影響がなかった地域においても復興は未だに緒に着いたばかりです。」だと言われました。特に、コミュニティーの復興が遅れていると聞きました。

 3.11大震災があったその年の夏から毎年、本学は、「東北教育復興支援ボランティア」として、宮城県を中心とする小中学校の学習支援をしてきました。みなさんの中にも、その学習支援ボランティアの活動に参加した人がいます。また、大津波の被害を受けた岩手県陸前高田市のひまわりの種を奈良県内の有志に栽培してもらって食用油にして陸前高田に送る「ひまわりプロジェクト」にも多くのみなさんが参加したことと思います。

 「東北教育復興支援ボランティア」や「ひまわりプロジェクト」は、「震災からの復興」にとっては取るに足りない小さな貢献であるかもしれませんが、このようなボランティア活動に参加したみなさんにとって、「概念の自己運動」によって自分が拠って立つところを知るよい機会になったでしょう。また、スクールサポート認証制度の研修を受けて奈良市や県下の学校支援に参加した人、その他、様々な支援活動、ボランティア活動に参加した人もいます。学生時代のこのような活動は、これからの社会での活動の基礎となる大きな財産です。

 このような課外の活動のなかで、「ひとりひとりのこどもに即して指導することやその場に応じて人と接することの難しさ」を体験すると同時に、「そのなかで協働して何かをつくりあげていくことの充実感」を味わったのではないでしょうか。既存の組織・コミュニティーに参加して、仲間と協働してさらに一段高いコミュニティーを作り上げることを目指してください。

 そのことに関係して、ここで、私が最近興味を持って読んだ本のひとつを紹介したいと思います。(隠れたベストセラーかもしれません)

 16世紀の中頃、フランスのエティエンヌ・ド・ラ・ボエシという人が著した「自発的隷従論」という小論あるいは長編のエッセーです。16世紀の動乱の中の混迷したヨーロッパという時代的制約と弱冠18歳前後の頃に書いたということもあって、その評価は様々のようです。訳者(山上浩嗣氏)によれば、「多数の民衆が人間の本性の一部である自由を放棄してまで、たった1人の暴虐な圧制者に進んで隷従するという逆説の理由」に関する論考ですが、政治論というよりは幅広い教養と天性的な直感によるエッセー的な内容であり、示唆に富む記述が多いことも事実です。

 ボエシが本書で指摘しているのは、「多数者が自ら進んで支配秩序に身を置くことによって圧政が成立する」、東洋流に言うならば、「圧政は、人々が『寄らば大樹の影』という考えに身を委ねることによって成り立つ」ということですが、「共同的な存在としての人間のありよう(組織的な職場・コミュニティーのなかで自分の立ち位置と行動)」を考えるとき、「流れに身を委ねることなく、常に振り返りを忘れるな」・・・という風に解釈してもいいかとも思います。みなさんのこれからの人生において参考になるかもしれません。

 さて、最後になりますが・・・明日からみなさんは学校をはじめとする社会=コミュニティーの一員となります。コミュニティーのなかで必要なこと(資質・能力)4つ挙げたいと思います。

  • 第1に必要なことは専門的な力量です。教師で言えば教科の指導力です。専門性は大学での学びが基礎になります。大学のカリキュラムですべてを学ぶことは不可能ですが、大学では「学び方」を学んだはずです。その「学び方」を基礎にこれからも学び続けて下さい。
  • 2つめは、広い意味でのリーダーシップです。若い教師や社会人のリーダーシップとは何か?
    コミュニティーの一員として、コミュニティーの構成員を繋ぐ力・・・それが若い人のリーダーシップです。教師であれば、自分とこども達、自分と同僚教師、自分と保護者、こどもとこども、保護者と保護者、学校と保護者、学校と地域の人たち、といった多様な「繋がり」の関係を導く力が若手のリーダーシップです。そのために必要な技能は「コミュニケーション力」です。コミュニケーションでは「発信」する前に「受信」する力が重要です。
  • 第3に必要なことは、「学び続けること」です。教養をベースにした学びを継続することが必要です。学びを継続するコツは学びを楽しむということです。明日からの生活の中でも、ハウツーものやマニュアルの向こうにあるもう一段高い学びを、楽しみながら継続していただきたいと思います。豊かな教養は自分を生長させ、他者を納得させる力を持っています。
  • 最後に、人を見分ける力が必要です。ひとが何を言ったかではなく、どう行動したかを評価の基準にすべきです。行動がその人の為人(ひととなり)を示します。自分についても、知識や技能が増えたということだけでなく、自分の行動が変化したかどうか(こどもへの接し方、同僚との関係が改善したか)によって自己の成長を確認する習慣を身につけて下さい。

 以上、教師になる学部卒業生に焦点をあてて申しましたが、プロフェッショナルな職業人として大学院と特別専攻科を修了する人にも、どのような職業にも当てはまることであります。

 みなさんが、明日からも、幅広く知識を吸収し、実践を通した学びを継続して、プロフェッショナルな社会人として成長することを期待します。

 学びを楽しみ、学びを継続することによって、諸君の輝く未来が開かれることを信じて、告示といたします。

平成27年3月25日  奈良教育大学長  長友 恒人

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平成27年度入学式を挙行しました。

Date2015/04/02

 平成27年4月2日、奈良教育大学講堂において、平成27年度入学式を挙行しました。

 満開の桜の下、363名の新入生が、緊張した面持ちで奈良教育大学での新たな生活をスタートさせました。

 長友恒人学長からは、「実践的体験は困難にぶち当たったとき、解決の糸口を切りひらく潜在的な力になる。」、「人間(ひと)としての存在の魅力」の基礎を学生時代に築いて欲しい」とエールが送られました。

 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。

 教職員一同、みなさんの本学での生活が充実したものになるよう、応援しております。

【新入生】

  • 教育学部 271名
  • 大学院教育学研究科 80名 (修士課程52名、専門職学位課程28名)
  • 特別支援教育特別専攻科 12名 

  入学式の様子 部活に勧誘する様子
 告辞を述べる長友学長              部員を獲得しようと勧誘に励む在学生

■ 学長告辞


入学式学長告示

 本年度は、教育学部271名、大学院教育学研究科80名、特別支援教育特別専攻科12名、合計363名の入学生を迎えることができました。本学教職員を代表して、みなさんの入学を心から祝福し、歓迎いたしますとともに、みなさんの学びと研究に対する指導助言、大学生活に関する相談と援助について最大限の努力を惜しまないことをお約束いたします。

 さて、学部入学のみなさんは、小学校から高等学校まで12年間の教育を受けてきました。人類が営々と築いてきた学問の成果を知識として吸収して自分流に組み立てることがこれまで12年間の「学び」でありました。大学での「学び」は、これまでの「学び」に加えて、「自らの関心に焦点を当て、課題を発見し、その課題の解決に向けて自ら答を導く」という研究の要素が加わります。

 ここで、私が現役の研究者として最後に関わったプロジェクト研究の例をお話しします。「環境変化とインダス文明」というプロジェクト研究ですが、国内外の50名以上の研究者がチームをつくって6年間継続しました。プロジェクトメンバーの専門性は多様で、言語学・文化人類学・考古学・インド学等の人文系に、地質学・自然地理学・地球物理学・気候変動学・生物学・農学・植物遺伝学・DNA考古学・年代学等々の自然科学研究者が加わった学際的なプロジェクトです。
「世界四大文明はいずれも大河流域に発達し、独自の古代文字と王権者を持つ文明である」と私たちは習い、教科書にもその様に記述されています。インダス文明は、「インダス河と現在は存在しない伝説の川(サラスワティー川)の氾濫原に発達した文明である」とされていますが、印章の文字はあるものの、エジプトのロゼッタストーンや石棒の刻まれたメソポタミアのハンムラビ法典のような文章になった文字列が見つかっていない、王権があったという確かな記録や遺跡も発見されていない、など他の古代文明と比べて不明な点が少なくありません。

 私は、このプロジェクトの「古環境グループ」の一員として、「現在、雨期にだけ水が流れるガッカル・ハークラー川が伝説のサラスワティー川であるのか、ガッカル・ハークラー川が流れるタール砂漠ができたことによってインダス文明が滅びたのか」というテーマで、現地調査を含めて年代学の立場から参加しました。年代測定の結果、「タール砂漠はインダス文明が誕生する遙か以前に形成されていた」、「インダス文明は砂漠の上に成立した都市文明であった」ということを明らかにすることができました。」現在でも砂漠の上に遺跡が発見されるのですから、この結論は間違っていないでしょう。

 我ながら、「目から鱗」の結論でしたが、「世界四大文明はいずれも大河流域に発達した文明である」という概念はどうして定説になったのだろう。ここに教科書やインターネット情報だけでは得ることができない「研究」のおもしろさ、つまり「課題設定をして実際に調査して答えを導き出す」おもしろさがあります。


 ところで、「課題を発見すること」と「課題を解決して答えを見出すこと」は、どちらが難しいでしょうか。「課題を解決して答えを見出す」ためには、自ら調べ、データを整理分析して答えを見つけることになりますが、課題が明確であれば、一定の答えを見つけることは比較的容易です。一方、「課題を発見(設定)する」ためには既成の概念にとらわれずに問題意識を明確にすることが不可欠です。そうでなければ、「インダス文明は世界四大文明のひとつであるから大河文明である」という固定観念から抜け出すことができません。自分が何を知りたいのか、自分に何が必要なのか、自分が何になろうとしているのか、が明確でなければ、一生懸命勉強して優秀な点をとっても単なる秀才であり、知識のパッケージに過ぎません。そこから新しい何かを生み出す躍動性は生まれません。大学での学びの「課題」は先生に与えられた宿題ではなく「自分にとって解決すべき課題」だから、オモシロイのです。

 「極めたい課題は何か」を自分に問いかけて設定するためには、幅広い知識が必要です。大学で広く、深く知識を吸収し、体験的に学ぶなかで、自分を客観視し、相対化するなかで自分の「課題」が見えてきます。一見して、すぐには役立たない知識を幅広く、また深く吸収してください。体験を重ねることによって直感を研ぎ澄ます訓練も重要です。そのプロセスで、「基礎基本」が足りないと感じることがあったとすれば、それはチャンスですから、「基礎基本」にも取り組んで下さい。そういうことが積み重なって身についたものが諸君の「教養」となり、「資質」となります。


 みなさんの研究で専門性を高めるのは、教職科目であり、教科専門科目でありますが、大学のカリキュラムで用意されている授業だけでは必要なすべてを教授できないことは自明のことです。授業では、「学び方を学ぶ」ことが重要です。「学び方」を習得することによって、自分の関心に応じたアプローチをすることができるようになります。学びを重ねる一連の作業によって、学びを楽しいと感じるようになるでしょう。義務的に学ぶのではなく、学びを楽しんでください。

 課外活動に、フィールドワークに、スクールサポート活動やボランティア活動にトライして、新しい発見をしてください。授業で学ぶこととは異なる体験のなかに学びを深めるヒントがあるかもしれません。海外に出ること、いろいろな本を手当たり次第に乱読することも有効です。学生時代の知的体験、実践的体験が多ければ多いほど、裾野が拡がり、高い専門性をピラミッドのように築くことが可能になります。知的体験、実践的体験は困難にぶち当たったとき、解決の糸口を切りひらく潜在的な力になります。それは、また、人生を楽しく、豊かにします。


 今までお話ししたことと重なりますが、みなさんがこれから過ごす大学生活において重要な3つのことを強調したいと思います。

  • まず、学びを習慣化することです。
     自ら学び続けるためには、基礎基本の知識や技能が身についているかどうかを自問してください。そのうえで、学ぶ目的が明確であることが必要です。学びが楽しいということを見つけてください。義務的な「勉強しなければいけない」では学びを継続できないし、発展的な考えは浮かびません。大学は「学び方を学ぶ場」であります。大学院と特別専攻科のみなさんは、学びの目的はもとより明確であり、既に研究の手法を身につけていると思います。さらに磨きをかけて、もう一段の高みに上っていただきたいと思います。
  • 2つめに強調したいことは、協調・協同・仲間作りです。
     学びには、ひとりでする学びとチームで行う学びがあります。思索が必要なときはひとりで寝食を忘れることもあるかもしれません。グループで行う場合にはコミュニケーションを密にして自分の役割を意識することがよりよい結果を生みます。コミュニケーションで重要なことは、自己を正確に表現し、他者をありのままに理解することです。自己を客観的に見ること、相対化する力がチームワークのなかで培われるでしょう。授業や研究環境の友人関係だけでなく、課外活動の中でのチームプレイも社会性を身につけるいい機会です。課外活動や学校支援活動のなかで、人と人、人と組織、人と地域を繋ぐリーダーシップを自分のものにしてください。
  • 3つめは、体験・実践の重要性です。
     学びを深めるためには、「裾野」を広げることが必要です。「裾野」を広げるために、大学の授業の他に、課外活動、フィールドワーク、ボランティアに取り組むことが有効でしょう。自分とは異なる視点からの考え方にヒントがあるかもしれません。留年覚悟で海外に出たり、留学生と交流することも効果的です。いろいろな本を乱読してください。学生時代の知的体験、実践的体験が「想定外の事態にあたって的確な判断をすることができる基盤」となり、「答えのない問題に出会ったときに、最善の解を導く源泉」となるのです。また、学生時代にどれだけ広く、深く、いろいろな世界を知り、体験したかということがみなさんの人生を楽しく、豊かにします。

 みなさんの多くは将来教壇に立つことになるでしょう。小学校から今日までに「素晴らしい先生」「輝いて見える先生」、「あんな大人になりたい」という恩師がいたと思います。どんな職業人になるにしろ、人間(ひと)としての魅力をもちたいものです。豊富な知識とともに身につけたいことは「人間としての存在の魅力」です。「存在すること自体が魅力」である教師は豊かな知識と技能、高いコミュニケーション力に加えて、豊かな心と包容力を持っています。その基礎を学生時代に築いていただきたいと思います。

 みなさんの奈良教育大学での生活が、豊かで、充実したものになることを信じて、告示といたします。

 

平成27年4月2日  奈良教育大学長  長友 恒人

奈良県内の四大学と教員養成の高度化に関する連携協定を締結しました。

Date2015/03/26

 奈良教育大学と奈良女子大学、奈良大学、帝塚山大学、天理大学の四大学は、教員養成高度化に関する連携協定を締結しました。この協定は、奈良県内の教員を志す各大学に在籍する学生を対象として、奈良教育大学教職大学院において、教育実践力を備えた高度専門職業人としての教員を養成することを目的としており、同教職大学院へ進学を希望する四大学の学生は、同教職大学院が行う特別選抜(推薦入試)を経て、学ぶこととなります。

 3月26日に奈良教育大学で行われた協定調印式には、長友恒人奈良教育大学長、今岡春樹奈良女子大学長、千田嘉博奈良大学長、岩井洋帝塚山大学長、天理大学人間文化学部総合教育研究センター上田喜彦教授(天理大学長代理)が出席し、協定書に署名を行いました。
 
長友学長は冒頭の挨拶の中で、「この協定締結により、奈良県内の学校教員のレベルアップに貢献できることを期待している。」と述べました。今後、県内の大学とともに、奈良県において優れた実践力・応用力を備えた教員の養成を進めていきます。

五大学の学長・学長代理

平成26年度卒業・修了式を挙行しました。

Date2015/03/25

 平成27年3月25日、奈良教育大学講堂において、平成26年度卒業式及び修了式を挙行しました。

 長友恒人学長からは、「明日からも幅広く知識を吸収し、実践を通した学びを継続して、プロフェッショナルな社会人として成長することを期待します」とエールが送られました。

 卒業生、修了生の皆さん、おめでとうございます。

 本学で得られたものを生かしご活躍されることを、心よりお祈りいたします。

【卒業・修了生】

  • 教育学部 266名
  • 大学院教育学研究科 67名 (修士課程50名、専門職学位課程17名)
  • 特別支援教育特別専攻科 13名

卒業式写真2  卒業式の様子1
告辞を述べる長友学長              式典前に友人との時間を楽しむ卒業生

■ 学長告辞


 卒業生、修了生のみなさん、おめでとうございます。大学教職員を代表して皆さんの卒業・修了を心から祝福いたします。また、ご列席の保護者の皆様におかれましても、ご子弟の晴れ姿に感慨もひとしおのことと、心からお慶び申し上げます。

 さて、学部卒業生のみなさん・・・4年前のみなさんの入学式で、私が話をした内容を記憶していますか?・・・2008年にノーベル物理学賞を受賞された益川先生のお話をいたしました。「井の中の蛙の弁証法」という話題でした。少し復習してみましょう。

 「井の中の蛙」の蛙は、「自分の経験だけに基づく狭い知識にとらわれて、広い世界を知らないこと」のたとえですが、・・・益川先生は、「この蛙をつかまえて、井戸の外に置いてやったら、どうなるか?」と益川流に話を展開させました。井戸の外で、「井戸の中の世界とは違う世界があるんだな。」と気がついた蛙は、「もっと向こうに行ったら、違う世界が見えるかも知れない。」とピョン、ピョンと跳ねながら考えを発展させました。このような、「概念の自己運動」によって、この蛙は自分が依って立つところを知る(自分を相対視できるように)なるのですが・・・大学における学習はこれに似たところがある・・・ということをお話しいたしました。

 「在学中に専門を高めて井戸の隅々まで知り尽くし、空を見上げて専門性の奥の深さを感じていただきたいと思いますが、同時に、井戸の外にも出てください。ひとつの専門だけに集中するのではなく、少し違う世界をのぞき見ることで、自分の専門の理解が深まるし、また、自分の専門の位置づけができるようになるでしょう。」と申しました。

 大学の授業で用意されているカリキュラムには「限り」があるので、課外活動に、フィールドワークに、ボランティアに、取り組んでください・・・と申しました。いろんな本を乱読してください。学生時代の知的体験、実践的体験が多ければ多いほど、専門についての理解が深まることになります。知的体験、実践的体験は井戸の外の大海に出て困難にぶち当たったとき、解決の糸口を切りひらく潜在的な力になります。それは、また、人生を楽しく、豊かにしますも・・・と申しました。

 学生時代にどれだけ広く、また深く、いろいろな世界を知り、体験したかということが、四年先に社会人になった後、プロの職業人として成長を続けることができるかどうか、人生を豊かにするかどうか、の礎になることを強調しました。

さて、その後今日まで、みなさんの4年間はどうだったでしょうか?

 学部を卒業するみなさんが入学した平成23年(2011年)4月は、3.11東北地方太平洋沖地震の直後でありました。

 私は、震災後、被災地に2度訪れる機会がありました。震災2年3ヶ月後に宮城県の石巻から女川町を経由して海岸に沿って車で北上しながら見た景色は新しい家屋も立ち並んで一見かなり復興しているように見えましたが、現地をよく知る人は、「福島原発事故の影響がなかった地域においても復興は未だに緒に着いたばかりです。」だと言われました。特に、コミュニティーの復興が遅れていると聞きました。

 3.11大震災があったその年の夏から毎年、本学は、「東北教育復興支援ボランティア」として、宮城県を中心とする小中学校の学習支援をしてきました。みなさんの中にも、その学習支援ボランティアの活動に参加した人がいます。また、大津波の被害を受けた岩手県陸前高田市のひまわりの種を奈良県内の有志に栽培してもらって食用油にして陸前高田に送る「ひまわりプロジェクト」にも多くのみなさんが参加したことと思います。

 「東北教育復興支援ボランティア」や「ひまわりプロジェクト」は、「震災からの復興」にとっては取るに足りない小さな貢献であるかもしれませんが、このようなボランティア活動に参加したみなさんにとって、「概念の自己運動」によって自分が拠って立つところを知るよい機会になったでしょう。また、スクールサポート認証制度の研修を受けて奈良市や県下の学校支援に参加した人、その他、様々な支援活動、ボランティア活動に参加した人もいます。学生時代のこのような活動は、これからの社会での活動の基礎となる大きな財産です。

 このような課外の活動のなかで、「ひとりひとりのこどもに即して指導することやその場に応じて人と接することの難しさ」を体験すると同時に、「そのなかで協働して何かをつくりあげていくことの充実感」を味わったのではないでしょうか。既存の組織・コミュニティーに参加して、仲間と協働してさらに一段高いコミュニティーを作り上げることを目指してください。

 そのことに関係して、ここで、私が最近興味を持って読んだ本のひとつを紹介したいと思います。(隠れたベストセラーかもしれません)

 16世紀の中頃、フランスのエティエンヌ・ド・ラ・ボエシという人が著した「自発的隷従論」という小論あるいは長編のエッセーです。16世紀の動乱の中の混迷したヨーロッパという時代的制約と弱冠18歳前後の頃に書いたということもあって、その評価は様々のようです。訳者(山上浩嗣氏)によれば、「多数の民衆が人間の本性の一部である自由を放棄してまで、たった1人の暴虐な圧制者に進んで隷従するという逆説の理由」に関する論考ですが、政治論というよりは幅広い教養と天性的な直感によるエッセー的な内容であり、示唆に富む記述が多いことも事実です。

 ボエシが本書で指摘しているのは、「多数者が自ら進んで支配秩序に身を置くことによって圧政が成立する」、東洋流に言うならば、「圧政は、人々が『寄らば大樹の影』という考えに身を委ねることによって成り立つ」ということですが、「共同的な存在としての人間のありよう(組織的な職場・コミュニティーのなかで自分の立ち位置と行動)」を考えるとき、「流れに身を委ねることなく、常に振り返りを忘れるな」・・・という風に解釈してもいいかとも思います。みなさんのこれからの人生において参考になるかもしれません。

 さて、最後になりますが・・・明日からみなさんは学校をはじめとする社会=コミュニティーの一員となります。コミュニティーのなかで必要なこと(資質・能力)4つ挙げたいと思います。

  • 第1に必要なことは専門的な力量です。教師で言えば教科の指導力です。専門性は大学での学びが基礎になります。大学のカリキュラムですべてを学ぶことは不可能ですが、大学では「学び方」を学んだはずです。その「学び方」を基礎にこれからも学び続けて下さい。
  • 2つめは、広い意味でのリーダーシップです。若い教師や社会人のリーダーシップとは何か?
    コミュニティーの一員として、コミュニティーの構成員を繋ぐ力・・・それが若い人のリーダーシップです。教師であれば、自分とこども達、自分と同僚教師、自分と保護者、こどもとこども、保護者と保護者、学校と保護者、学校と地域の人たち、といった多様な「繋がり」の関係を導く力が若手のリーダーシップです。そのために必要な技能は「コミュニケーション力」です。コミュニケーションでは「発信」する前に「受信」する力が重要です。
  • 第3に必要なことは、「学び続けること」です。教養をベースにした学びを継続することが必要です。学びを継続するコツは学びを楽しむということです。明日からの生活の中でも、ハウツーものやマニュアルの向こうにあるもう一段高い学びを、楽しみながら継続していただきたいと思います。豊かな教養は自分を生長させ、他者を納得させる力を持っています。
  • 最後に、人を見分ける力が必要です。ひとが何を言ったかではなく、どう行動したかを評価の基準にすべきです。行動がその人の為人(ひととなり)を示します。自分についても、知識や技能が増えたということだけでなく、自分の行動が変化したかどうか(こどもへの接し方、同僚との関係が改善したか)によって自己の成長を確認する習慣を身につけて下さい。

 以上、教師になる学部卒業生に焦点をあてて申しましたが、プロフェッショナルな職業人として大学院と特別専攻科を修了する人にも、どのような職業にも当てはまることであります。

 みなさんが、明日からも、幅広く知識を吸収し、実践を通した学びを継続して、プロフェッショナルな社会人として成長することを期待します。

 学びを楽しみ、学びを継続することによって、諸君の輝く未来が開かれることを信じて、告示といたします。

平成27年3月25日  奈良教育大学長  長友 恒人