中等教科教育法Ⅰ(音楽)(音楽教育講座 劉麟玉)

 今月の『奈教の授業』では、「中等教科教育法Ⅰ(音楽)」を紹介します!

講義の基本情報〉
 ・対象学年:2回生(前期)中学校・高等学校(音楽)免許取得必須科目

 ・受講者数:22名(令和3年度)

どんな授業?

 中学校・高校の音楽科の学習指導要領に示された目標と内容を把握し、教材研究を通して音楽の本質を理解し、教材内容における指導上の留意点を見いだすことを目的とします。具体的に本授業では新学習指導要領に含まれる目標と意義を理解し、音楽の本質との関連性について学習すること、現行の教科書の教材を分析し、教材の多様性と学習目標を理解すること、さらに進んで教材に関連する時代背景や音楽的特徴を調べることで教材研究の力を身につけることを目標としています。

授業の流れ

 1回目から3回目まで、中学校・高等学校新学習指導要領の基本的な考え、教科の目標、評価基準について解説し、音楽科の「表現領域」と「鑑賞領域」の指導内容を教材例とともに説明し、学生の理解を深めます。

 第4回から第9回までは中学校の教科書に掲載されている「歌唱」、「器楽」、「創作」と「鑑賞」の教材を学びます。「歌唱」の教材研究の一環として共通教材を弾き歌いするという課題も課します。
 また、創作活動にはICT教育とSTEAM教育の理念を取り入れ、学生にシンセサイザーキット「littleBits」のワークショップなどを体験させます。
 littleBits ワークショップ.jpg

 「器楽」の時間にインドネシアの民族楽器で無形世界遺産としてユネスコに登録されている「アンクルン」の演奏実践を行います。
中教法2021-1.jpg
 「鑑賞」の時間には日本伝統音楽を重点に授業を展開します。第10回から第15回まではグループごとの指導案の作成と模擬授業を実施します。
中教法2021-2.jpg

担当教員よりメッセージ

 世の中には様々な音楽が存在しているという意識は学校現場の音楽教育にも少しずつ影響を与えており、教科書の学習内容も西洋音楽、日本伝統音楽、諸民族の音楽、ポピュラー音楽など幅広く含まれています。音楽の多様性を意識し、音楽の本質とそれぞれの音楽が持っている特殊性を理解することが大切です。そして音楽をいかに楽しく、気持ちを込めて表現できるのか、その表現をどう人に伝えるのか、様々な音楽の学びを通して考えてほしいと思います。

IMG_2782.JPG
 音楽教育講座 教授 劉麟玉

 ※この記事は、2021年8月現在の情報をもとに作成されています。

 記事をお読みいただきありがとうございました!ぜひなっきょんナレッジに関するアンケートにもご協力ください。