奈良高校SSP理科 奈良教育大学での実験研修への参加(平成28年5月13日) 理数教育研究センター

理数教育研究センター

平成28年5月13日に奈良高校SSH関連の実験授業として「SSP理科 奈良教育大学での実験研修への参加」を、奈良高校SSP理科の生徒約25名を対象に、石田正樹教授が実施しました。最初にサイエンスライティングに関する授業を1時間程行い、10分程度の休憩後に、ゾウリムシの生殖とそれに伴う核の形態変化に関する授業を30分程行った。そして最後に、ゾウリムシにおける有性生殖過程や無性生殖過程の核の形態変化を蛍光顕微鏡観察により行った。5人グループの5つの班に分かれて、3台の蛍光顕微鏡を順次交代で観察してもらった。 実験の内容としては、これまでに報告されている無性生殖過程の模式図を検証する実験であるが、核形態の違いを写真としてデータをとりながら、どのような順番でこのような変化が生じているのかを考えさせる授業である。あらかじめ私が用意した写真を分類させながら、生徒が観察、スマートフォンのカメラ機能を利用してデータを取っていく。この実験結果に関しては、1950年代に模式図が描かれており、一応の答えが存在するが、現代の技術でこれを検証してみるという内容である。実際には、当時謎とされた核の形態変化を包含しているが、この謎の現象は、生徒が自主的にものを考えて考察をすすめれば、あるいは、追加の実験を加えれば、新しい発見につながる内容である。実験中は蛍光顕微鏡で青い蛍光をみて喜んでいる姿が印象的であった。積極性の高い生徒たちであり、授業が済んだ後に、実験室を見学にくる生徒もおり、非常に有意義な取り組みとなった。