奈良教育大学理数教育研究センターでは、令和4年8月29日~30日の2日間、県下山村部にある曽爾小中学校で「サマースクール 2022イン 曽爾」を開催しました。このサマースクールは、曽爾村との包括連携協力協定に基づいて行われたものです。本学が推進する、優れた教育実践力を持つ理数科に強い教員の養成を目的とした理数教育プログラムに参加する学生や教員が、理科・数学(算数)実験を中心とした特別授業を行いました。小中学校では普段できない実験などを目の当たりにした児童・生徒は、驚きと感動を胸に授業に取り組んでいました。子供から大人まで、素晴らしい曽爾の自然環境の中で、共に思いっきり学びました。また、今年度は国際交流留学センターとの協働で、フィリピンとマレーシアから教員研修留学生3名が、7~9年生対象に自国のプレゼンを行いました。これらは、奈良教育大学及び曽爾村双方における教育・研究の充実につながる有意義な取組であり、連携協力事業として大きな成果をあげるものとなりました。
過去のサマースクール イン 曽爾
開校式ではまず、曽爾小中学校校長森川先生からお言葉を頂き、引き続き石田センター長、新理数2回生代表の挨拶がありました。こうして2日間のサマースクールがスタートしました。
開校式の後、7~9年生対象に、2班、3班がレクレーションを行いました。 震源地ゲーム(動作の震源地が誰かを当てるゲーム)を実施し、曽爾小中学校の生徒、教員と交流を深めました。
本学の教員研修留学生が7~9年生対象に自国(フィリピン、マレーシア)の文化や中学生の生活についてプレゼンを行いました。
7~9年生に対して、新理数生企画による科学実験ブースの出展を行うチャレンジ!サイエンスを実施しました。
今回の授業では視力検査の時に使うランドルト環を使って比例・反比例からそれぞれの視力の見える距離について考えました。目標としてマサイ族の視力の話をして視力10を数字を使って色々な形で何とか表そうとしました。最後には運動場に出て視力10がどれほど見えるものなのか、視力検査表を使って距離を変えることで視力を測る方法などいろいろな体験をすることができました。とても楽しく活動をすることができました!
今回は鏡を作る銀鏡反応の実験を通して酸化還元反応についての授業・実験をしました。 授業の中では、イオンや電子など、少し難易度の高い理論についてイメージ図などを取り入れなるべく丁寧に説明しました。 実験は、多くの生徒が成功し鏡ができる様子やその他の化学反応にも興味関心を示してもらうことができました!
3~6年生に対して、新理数生による理科・数学(算数)実験ブースの出展を行うサイエンスルームを実施しました。
この授業では、空気に力が存在することを3つの実験を通して実感してもらいました。その上で空気の力の大きさは空気の濃さにより変わることを最初の実験で学習し、残りの2つの実験で空気の濃さを用いて生徒に予想させ空気の力を実感してもらい、空気の力は実際には見えないけど、空き缶を潰すぐらい大きいと実感できたと思います。
私たちの班では、推理算をテーマにした授業を行いました。 授業の初めに問題を解くうえでカギとなる仮定という考え方について説明しました。ある事象を仮定して整理した条件と照らし合わせることで、そこから矛盾点を見つける背理法を利用して正解を導きました。説明の際は、スライドのアニメーションや表などを用いて子どもたちにもわかりやすくしました。この授業では、問題を解いてキーワードを見つけるというミッションも用意したので、より探偵気分を味わうことができ、楽しんで学ぶことができたと思います。
プロジェクト教員が3~6年生と1~2年生に講義・実験を行いました。
講師:奈良教育大学 藤井智康
川の生き物の種類と数から水質を判定する生物学的調査とパックテスト (COD:化学的酸素要求量)による簡単な化学的な水質検査を行いました。2017年に実施して以来、5年ぶりに川に入っての調査でした。5年前とは川のようす(堆積環境の変化など)がすこし変わっていましたが、以前と同様にカゲロウ類、カワゲラ類、ヘビトンボ、サワガニなどきれいな川にいる水生生物や、カワムツなどの魚がたくさんみられました。パックテストによるCOD値は、0~2 mg/Lと低い値を示していました。今年の調査においても曽爾川は5年前と同様にきれいな川と判定できました。子どもたちは、活き活きと興味を持って、調査を行っていました。
講師:奈良教育大学 石田正樹、小長谷達郎
1・2年生は学校のまわりで虫とりをしました。小学校の先生や大学生といっしょにいろいろな虫をとりました。さいしょにいったヘリポートではみんなトンボをつかまえようとがんばりました。たかいところをとぶトンボをとるのはむずかしかったですね。草むらにはバッタがたくさんいました。さいしょはあみをつかっていても、さいごは手でつかまえた人がおおかったですね。キリギリスのつよさやかたいからだにもおどろきました。きょうしつにもどってからずかんでつかまえた虫をしらべました。シオカラトンボ、アキアカネ、ウスバキトンボ、ハグロトンボ、ショウリョウバッタ、ショウリョウバッタモドキ、キリギリス、エンマコオロギ、ナミアメンボ、エサキモンキツノカメムシ、ツマグロヒョウモン、ジャノメチョウ、ヤマトシジミ、ウラギンシジミ、アメリカミズアブ…。ことしもたくさんのむしたちにあえました。
閉校式では曽爾小中学校の児童・生徒よりお礼の言葉とたくさんの感想を頂き、引き続き今回のサマースクールの陣頭指揮をした小川先生より挨拶がありました。その後、曽爾小中学校生徒代表、新理数2回生代表の挨拶の交換が行われました。こうして2日間が無事終了しました。