高校生のための素粒子サイエンスキャンプ「オンラインBelle Plus」(令和3年8月8日~10日、8月12日) 理数教育研究センター

理数教育研究センター

高校生のための素粒子サイエンスキャンプ「オンラインBelle Plus」(令和3年8月8日~10日、8月12日)

理数教育研究センターは、高エネルギー加速器研究機構(KEK)との共催で、高校生を対象とした素粒子サイエンスキャンプ「オンライン Belle Plus(ベルプリュス)」を開催しました。このキャンプは、KEKのBelle実験で実際に行われてきた最先端の研究活動を高校生に体験してもらうことを目的として、平成18年度より実施しています。15回目となる今回のキャンプは、新型コロナウィルス感染症の影響により、対面での開催は困難であるため、昨年度に引き続きオンライン形式で8月8日~10日と8月12日に開催し、山形から沖縄まで全国から16名の高校生が集いました。
本センターの片岡佐知子特任准教授は、実行委員長としてキャンプの企画・運営に携わるとともに、実習の指導にあたりました。
キャンプの中核となる実習では、Belle実験で使用されている粒子測定器や実験データなどを活用した以下の3つの課題を実施しました。

  • Belleの実験データの中から粒子を探索する研究
  • ワイヤーチェンバーを用いて宇宙線の降り注ぐ角度を測定する研究
  • Belle実験で観測可能な現象の理論的研究

また、キャンプでは実習を行うだけでなく、実習結果をまとめて考察を加え、それらを発表する時間を設けています。8月8日~10日の3日間の実習と発表準備を経て、8月12日の発表会では、それぞれの発表に対して高校生が質問を投げかけ合う場面もあり、研究者さながらの活発な議論が交わされました。 この他にも、素粒子物理学の講義やオンライン施設見学やサイエンスカフェ、交流会を実施しました。
アンケートでは「4日間素粒子物理学に触れて理解を深めたり、研究とは何かを実感することができた」、「問題は一人で解くものではなく、協力して解くことができるものでもあると気づくことができた」、「オンライン開催で自宅にいながら素粒子物理研究の最先端を知ることができた」といった感想が述べられていました。
なお、奈良教育大学と高エネルギー加速器研究機構は、教育及び研究成果の社会還元の推進を目的として、2012年6月に連携協定を締結しました。Belle Plusは連携協定の主要プロジェクトの一つとして実施しています。

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<参考>

Belle Plus (ベルプリュス)
Belle実験グループ
Belle II 実験グループ
高エネルギー加速器研究機構