「サマースクール2013イン曽爾」DCV発表会 - 奈良教育大学

「サマースクール2013イン曽爾」DCV発表会 奈良教育大学

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「サマースクール2013イン曽爾」DCV発表会

10月30日(水)に奈良教育大学地学実験室にて、サマースクール2013イン曽爾のDCV発表会を行いました。曽爾で行った科学・数学実験について各班10分程度、成果を発表しました。今後の反省点・感想などさまざまな意見交換をし、次回のウィンタースクール2014イン曽爾に向けて役立つ貴重な経験をしました。

数の石垣

私たちは、ドイツで考案された計算練習方法である「数の石垣」についての授業を行いました。4段の石垣の一番下の数を知るだけで、一番上の数がわかるという法則を子どもたちに考えてもらいました。子どもたちが自ら様々な考えを提案し、活動に取り組んでいた姿が印象的でした。

反省・感想

  • 授業者が特別な指示を与えなくても、児童は積極的に手を動かしていた。
  • 暗算が苦手な児童に対する対応を考えるべきだった。
  • 「授業者はマジックができる」と、課題を提示したので、子どもの興味を引くことができた。

    

身近なものを使って酸・アルカリの判定剤を作ろう

私たちの班は、実験室にある薬品以外の身近なものからph指示薬を作る実験を行いました。使用したのは紫キャベツです。酸・アルカリの知識についても同時に触れました。実験自体は色の変化をみるというもので小学生にもわかりやすく、印象に残りやすいものにしました。最後に、紫キャベツを使った焼きそばを作り、小学生だけでなく、引率の先生方にも楽しんでもらいました。

反省・感想

  • フィードバックの時間がとれなかった。
  • 色の変化がよく出たため、子供たちの反応も良く積極的に参加してくれた。
  • 子供の反応に対応しながら、授業を展開できるようになることが大切であると感じた。

    

トランプ手品はいかがですか?

トランプマジックを用いて、数学的な考え方を身につけることを目的に授業を行いました。マジックのタネを暴くために悩みながら何度もマジックを実行して考える様子が見られました。 生徒同士で相談したり、先生と一緒に考えたりと楽しんで取り組んでいました。

反省・感想

  • 1人に1組のトランプを配ることで、生徒全員が主体的に問題に取り組めた。
  • 手が止まっている生徒には個別にアドバイスするなど、生徒と積極的にコミュ ニケーションをとれてよかった。
  • 生徒に伝えたいことは口頭だけでなく、黒板に書いて残しておくべきだった。

    

マンホールの不思議

私たちは身近にある『マンホール』の形に注目して授業を行いました。どうして、マンホールのふたは丸いのか、他の図形ならどうなるだろうかという疑問を教具を用いて子供たちと一緒に考えました。子供たちは教具に興味を持ち、さまざまな視点から問題解決に取り組んでいたのが印象的でした。

反省・感想

  • 児童の意見を生かしきれなかった。
  • 図形を落とす活動の児童の活発さを、考える活動へつなげる工夫が足りなかった。
  • 私たちが作った教材で授業をすることで、児童の反応や気付きをしることができた。

    

吹き上げパイプで感じよう、空気の不思議な力!

授業の目的として、大きく
(1)空気もモノであり、モノとモノがぶつかると動かす力が働くこと
(2)吹上パイプのような科学おもちゃで遊び、自分で触れて考えるという体験をしてもらうこと
を挙げました。授業では、ボールや扇風機を使ってモノや空気のぶつかる様子を観察した後、ストローで自作した吹上パイプでいろんな玉を浮かせて遊びました。どんなものが浮かせられるのか試したり、同じ物でも形を変えるとどんな動きをするのかなど、児童が自主的・意欲的に取り組む様子が見て取れ、特に(2)の目的をよく達成できたと思います。

反省・感想

  • 児童が自分たちで話し合いながら試行錯誤している様子を見て、とても嬉しかった。
  • 危険・トラブルは可能な限り具体的に想定し、対応する。
  • 子供たちが主体であり、学年等に応じて、何を掴んでもらいたいかを適切に考える。

    

集まれ!コロイドくん!

「コロイドって何か知っているかな?」という質問からこの授業は展開しました。 もちろん、コロイドという言葉を耳にするのは、高校生になってからです。 このコロイドというキーワードを用いたのは、コロイドが身近にたくさんあること、その身近なことを科学できることに魅力があると思い、この言葉を用いました。 授業では、コロイドの各性質を紹介し、塩析の現象を身近なもので確認するために「豆腐」の作成実験を行いました。また、塩析を確認するために、電解質をにがりだけでなく、アクエリアスやウィダーなどを用いることで、生徒の印象にも深く残ったようでした。 DCV発表会では、反省だけではなく、この授業をより生徒たちに簡単に伝えられる方法として、授業の各パートでの改善案を提案し、その改善案にもたくさんの意見をいただくことができました。

反省・感想

  • 実験に全員がかかわることができなかった。この改善策としては、全員が作業を分担できるような実験にすること、班を小分けにすることなどが考えられました。
  • チンダル現象確認のための実験の改善を行う。
  • 90分という普段よりも長い授業を構成する中で、授業の山場や、実験のポイント、時間配分など、様々なことを学ぶことができた。

    

建物を丈夫にしよう!

本実践では、算数・数学が日常に使われていることに気付き、また、複雑な関係を簡単な図に表すことで、図のよさに気付けることをねらいとしました。そのため今回は、建物の構造を丈夫にするために梁(はり)の入れ方について考えました。具体的な教具を用いたため、生徒自身が意欲的に取り組み、問題に対する解答を予想したり、体験的に成り立つ事実を実感したりすることができました。

反省・感想

  • 実際に教具を用いたため意欲的に取り組む姿が見られた。
  • 個々に教具で自分が考える「建物を丈夫にする」ことを考えることができた。
  • 図に表すことの良さを実感する時間をあまりとることができなかった。

ヘビとスッポン~カメハメ波ー!!~

「スッポンを引っ張れば、甲羅と体の部分を分けることができるのか?」という 素朴な疑問から、スッポンの甲羅は骨のどの部分に由来するか、ということを解剖で確認しました。また、心臓・肝臓などの臓器の様子を確認し、メスとオスではそれぞれに卵巣・精巣があることも見ることができました。

反省・感想

  • スッポンは生きたものを使用したため、命を頂くということを実感でき、食育の一環にもなったと思う。
  • 解剖中、反射が起きていることが確認できた。
  • 固く切りにくい部分があるため、生徒の様子や進行具合を見ながら解剖を進める必要がある。