※所属および記事の内容は、作成当時(令和7年度)のものです。
私が教職大学院への進学を決めたのは、教師としての力量形成を図りたいと考えたからです。
私は小学校教員として20年ほど教壇に立ってきましたが、小中一貫教育推進コーディネーターという役職を務めだしてからは、それまでの知識や経験では解決しにくい課題に直面することがたびたびありました。様々な書籍を読みあさり、自己研修も積んできたつもりだったのですが、日常の業務との両立はなかなか難しく、スムーズに解決に至ることはほとんどなかったように思います。
でもそんなある日、アドバイザーとしてお招きしていた本学教授より指導を受ける機会がありました。その時のことは今でも鮮明に覚えているのですが、こちらから質問を投げかけるや否や、一言のアドバイスが返ってきました。しかもその一言は、それまでの滞りを瞬時に解消するような内容で、目の前がぱぁっと明るくなり、視野も広がっていくような感覚を覚えたほどでした。
その経験は、自身の知見の乏しさを知らしめると共に、教授の下で学びたい、大学院に進学したいと決心させるには十分な出来事でした。これが私の、大学院進学を志したきっかけです。
実際の院生生活は、毎日が充実しています。授業は月・火・木・金の4日間で空き時間もあり、予習復習をこなしながら、ゆとりをもって学びに向かうことができています。また、授業では現職教員やストレート院生が入り交じり、活発な議論を交わすことも少なくありません。これからの教育を担っていく若い世代の人たちの声を直接聞くことができるのは大変刺激的で、自身を改めて振り返ることのできる貴重な時間となっています。
このゆとりある生活で何がうれしいかというと、今までは時間がなく読みたくても読めなかった書籍や論文に手をのばせるというところです。来年度は学校現場に戻りながら研究を進めることになるのですが、今のうちに読めるだけ読んでおこうかと思っています。
私の研究テーマは、「小中一貫校の総合的な学習の時間のカリキュラム・マネジメントにおけるコーディネーターの役割について」であり、担当していただいている赤沢教授のもと取り組ませていただいております。運よくゼミ生は私1人だったので、90分間教授を独占できる非常に有意義な時間となっており、今はこの時間に病みつきになっています。 ゼミは基本、教授との対話で進められていくのですが、毎回その中で、自身の視野が広がり、考えも深まっていくのが手に取るように実感できています。もちろん家に帰ると元に戻っていることもあるのですが、とにかく自分の成長を楽しむことのできる、今までにはない経験をさせていただいているところです。
私もそうだったように、教職大学院への進学には不安や迷いもあるかもしれません。でも実際に進学してみると、毎日が学びに満ちていて、自分自身を見つめ直す良い機会になっています。
現場ではなかなか得られない理論的な視点や、他の院生との対話から得られる気づきはとても貴重です。学ぶ楽しさを改めて実感できる時間がここにはあります。
忙しい日々の中でも、「もっと学びたい」「自分を成長させたい」という思いがあるなら、ぜひその気持ちを大切にしてほしいと思います。大学院での学びが、あなたのこれからの実践に大きな力を与えてくれることを願っております。