これまで、大学学部における専門性については、学生の受ける教育内容が狭い分野に限定されたり、さらにそれまでの学問研究の成果を単にそのまま知識として教えることに終始したりする傾向がありました。
しかし、これからは、特定分野における完成教育というよりも生涯学び続ける基礎を培う、より普遍的な教育が求められています。
学部段階における教育内容としてどこまでを対象とするのか、学生にどのような知識・能力を身に付けさせることを目的とすべきなのかを改めて問い直す必要性があります。
本学では、学生が広い視野を持ち学問を総合的に把握し、課題を探求できるような幅広い教育を施すことが重要であるという認識の下に、カリキュラム編成及び個々の授業を実施することが必要であると考えています。
そこで本学では、平成11年度に実施された学部改組に伴い、平成11年入学者より履修登録において年間に履修登録することができる単位数の制限を加えることにしました。
これにより、少数の授業科目を実質的に学修できるようになることから、教室における授業と学生の教室外学修を合わせた充実した授業科目の展開ができるため、学習における自主的な取り組みが行われるものと期待されています。
これらの実現のためには、当然授業を担当する教員においても、従来の平等主義から学生の能力・適性に応じ、学生の主体的学習意欲及び、その学習成果を積極的に評価し得る柔軟で弾力的なシステムへの転換が必要であるということは言うまでもありません。
そこで本学では、教員研修(FD:ファカルティ・ディベロプメント)を実施し、個々の教員の教育内容・方法の改善のために、全学的にあるいは学部・コース等全体で、それぞれの理念・目標や教育内容方法についての組織的な研究・研修を行うことにしています。
具体的には、教育相互の授業参観・研究会の開催・基礎ゼミの実施後、情報交換を行い、教育方法を検討します。