―最新知見と実践訓練を通して、“命を守る力”を育成―
5月20日(水)午後、奈良教育大学 山田ホールにおいて、体育会所属学生および教職実践演習セレクトセミナー受講学生を対象とした「熱中症対策研修会」を開催しました。5月にもかかわらず30℃を超える真夏日を記録する中、スポーツ活動や教育現場における熱中症リスクへの対応力向上を目的として実施され、計54名の学生が参加しました。
本研修は、保健体育講座の笠次良爾教授を中心に、笠次ゼミ生、ゼミOB・OG、体育会会長、スポーツナース、大学事務職員ら計14名のスタッフが連携して企画・運営しました。熱中症対策研修会としては4年目となり、今年度は昨年度の内容をさらにアップデートし、より実践的な内容へと発展させました。
講師を務めた笠次教授は、学生時代にトライアスロン競技の選手として活動し、医師となってからは国内外の大会救護に長年携わってきました。TOKYO2020オリンピック・パラリンピックではトライアスロン競技の選手医療責任者を務めるなど、暑熱環境下での熱中症対策に豊富な経験を有しています。
研修は、「講義」「EAP(緊急時対応計画)作成」「想定訓練」の3部構成で実施されました。講義では、熱中症の発生メカニズム、予防、重症化を防ぐための初期対応について、最新の知見を踏まえて学習しました。続くEAP作成では、各クラブの活動場所や活動特性を踏まえながら、緊急時の連絡体制や搬送方法などを具体的に検討しました。想定訓練では、搬送法やローテーションアイスタオル法を実際に体験し、迅速な全身冷却の重要性について理解を深めました。
受講後の振り返りでは、熱中症対応を単なる知識として学ぶだけでなく、「実際に行動できる力」として身につけようとする姿勢が多く見られました。参加者からは、「迅速な初期対応の重要性を実感した」「全身冷却の有効性への理解が深まった」「実際の現場で冷静に対応できるようになりたい」といった声が寄せられました。
また、「部活動や学校現場で周囲に広めたい」「将来教員として子どもたちの安全を守れるようになりたい」といった記述も多く、学びを自身の行動変容や将来の教育実践へ結び付けようとする意識もうかがえました。
本研修は、熱中症に関する最新の科学的知見を踏まえながら、仲間と協働して“命を守る力”を育成する実践的な学びの場となりました。奈良教育大学では今後も、安全なスポーツ活動と教育現場づくりを支える実践的な教育活動を継続してまいります。