※所属および記事の内容は、作成当時(令和6年度)のものです。
私が奈良教育大学大学院に進学したきっかけは、これまでの勤務校での経験からです。私はこれまで3校の小学校で勤務しましたが、どの学校も、子どもたちに質の高い教育を提供するために全力を注ぐ、素敵な学校でした。そこで私は、様々なことを経験し、そこから多くのことを学ばせてもらったように思います。そして、その学びと同時に、私の中である疑問が生じました。それは、特別支援学級に在籍する児童が、「どこで」、「どのような」教育を受けることが最も適切なのかということです。
この疑問について考えるため、「インクルーシブ教育」についての書籍を読んだり、研修に参加したりしたものの、中々ゆっくり、じっくり学ぶ時間が取れず、日々の仕事や子育てに追われていました。そんな時に知ったのが、奈良教育大学大学院への派遣研修制度でした。この制度を知った時、私は「これだ!行くしかない!」と思い、受験することを決め、すぐに家族に相談しました。
授業は、月・火・木・金の週4日で、1日2~3コマを平均で受講しています。空き時間もあるので、その時間は課題のレポートや発表用のプレゼンテーションを作成したり、次の授業の予習をしたり、興味のある書籍や論文を読んだり、仲間と1つのテーマについて議論したりして過ごしています。
授業は、現職教員、ストレート院生、留学生、大学教員など、様々な立場の人と対話形式で進められるものが多く、お互いに疑問に思ったことや考えたことを出し合いながら議論しています。また、授業によっては、勤務したことの無い校種の学校見学に行ったり、中々見ることのできない発達検査の様子を見学したりすることができ、新しい発見がたくさんあります。
そして、自分が所属する研究室での定例会(ゼミ)というものも週に1回あります。そこでは、自分が研究したい分野について、調べてきたことを発表し、そこから他のゼミ生や、担当教員にアドバイスをもらいながら考えを深めていっています。また、他のゼミ生の研究について聞くことで、新たな気付きをたくさんもらっています。このように、奈良教育大学大学院では、「視野を広げる学び」と「一つの分野を深く探求する学び」が同時にあるなと感じています。
私が現場で勤務していた時は、子どもたちへの様々な指導がどうであったか、振り返り、修正し、次の日の指導に向かうというサイクルを日々必死に回していたように思います。
奈良教育大学大学院で学ぶ時間は、そういったこれまでの現場での指導を、見つめ直すだけでなく、「そもそも何のためにそのような仕組み・制度があるのか?」「教員として私はどう在るべきなのか?」といった「教員としての自分」を掘り下げる貴重な時間になっているなと感じています。
学べば学ぶほど、自分の中での選択肢は増え、悩むこともたくさんありますが、この悩む時間も楽しみたいと思っています。皆さんも、ぜひ、奈良教育大学教職大学院で一緒に悩み、語り合いましょう。