奈良教育大学附属幼保連携型認定こども園 完成披露会 ご挨拶(9月12日) - 奈良教育大学

奈良教育大学附属幼保連携型認定こども園 完成披露会 ご挨拶(9月12日) 大学紹介

大学基金
大 学
基 金
奈良教育大学基金
資料請求
資 料
請 求
資料請求
研究シーズ集
研 究
シ ー
ズ 集
研究シーズ集
大学紹介

 本日は、奈良教育大学附属幼保連携型認定こども園、完成披露会に、多数の御臨席を賜り、設置者として心より御礼申し上げます。

 また、大変御多用の中、御来賓としてお運びいただきました、奈良市長 仲川げん様代理、奈良市副市長 鈴木千恵美様、文部科学省初等中等教育局視学官 横山真貴子様、奈良県こども・女性局こども保育課課長 中川友佳子様をはじめ、すべての皆様に、厚く御礼申し上げます。

 保護者の皆様、また後援会、育友会の皆様には、日頃より本園の教育、及び運営に深い御理解と御支援を賜っておりますことに、改めて感謝申し上げます。本日、皆様とともに、この新しいこども園の完成を祝うことができますことを、大変うれしく思っております。

 さて、本園の歴史は、昭和2年、1927年4月、「奈良県女子師範学校附属小学校後援会 昭徳幼稚園」として設立され、附属小学校校舎内のわずか2教室で保育を始めたことに始まります。

 その後、時代とともに名称を変えながら歩みを重ね、令和6年4月、国立大学附属として全国初となる「幼保連携型認定こども園」が実現いたしました。そして園舎の全面改修を終え、いよいよ来月からは、0歳児6名をお迎えいたします。

 この100年にもわたる長い歴史は、近代の奈良市を著した全622ページにも及ぶ『奈良市史 通史四』の中にも記されております。特徴的なのは、その第四章「経済不況と奈良」の中に収められていることです。つまり、就学前における幼児教育が、時々の「社会や経済」に即して変遷してきた ということです。

 今回のこども園への移行も、地域における幼児教育・保育に対するニーズの変化、そして、誰もが安心して仕事と子育てを両立できる現代社会の実現に対応し、「教育大学として貢献したい」との思いから決断したものです。

 しかし、その実現までには幾多の困難がありました。多くの方々や関係諸機関の御理解と御支援があったからこそ、この困難を克服できたものと、今改めて感謝の念を強く抱いております。

 奈良市、奈良県、地域の幼稚園、こども園、保育所の皆様から、多くの知見、御理解、御支援をいただきましたことに、まずもって御礼を申し上げなければなりません。

 また、国立大学の附属であることから、国の複数の省庁にまたがる課題についても、それぞれにおいて御理解をいただくことができました。そして、その調整に粉骨砕身の努力をしてくださった、当時の三木達行事務部長・副学長には、今なお感謝の念でいっぱいでございます。

 さらに、附属幼稚園の時代から研究・実践・教員養成を牽引してくださった横山真貴子先生、堀越紀香先生。将来を的確に予測し、熱く、かつ冷静に議論を重ね、こども園への移行を決断し、実現へと導いてくれた長谷川かおり元園長をはじめとする本園教職員。さらに、廣瀬聡弥「こどもの学びと育ちセンター」長をはじめ、本学の幼年教育に携わる先生方。これら多くの皆様の努力によって、今日を迎えることができました。ありがとうございました。

 さて、こども園を設置するにあたり、本学は次の4つの使命を掲げました。

第一に、乳幼児期の教育カリキュラムと実践方法の開発と提供。
第二に、現職保育教諭の研修を通した力量形成。
第三に、確かな力量をもつ新人保育教諭の養成。
そして第四に、妊娠期を含む市民、保護者に対する子育て支援です。

 こども園が実現した今、そしてこれからも、国立大学附属として、この4つの使命を確実に果たし続け、質の高い幼稚園教諭、保育士、保育教諭をこのフィールドで数多く育成するとともに、地域、そして全国のモデルとなる園として、研究知見に基づく乳幼児教育の実践を発信してまいります。また、誰もが安心して出産・子育てができる地域社会づくりにも貢献してまいります。

 これは、奈良教育大学が掲げる「教育を通して持続可能な社会を創る」という理念、そのものでもあります。
 教育は、3歳から、あるいは小学校に入学した日から始まるものではありません。人が生まれ、家族や周囲の人々に見守られ、遊び、感じ、考え、人と関わりながら育っていく、そのプロセスのすべてが教育の原点です。

 0歳からの乳幼児教育と、その先に続く学校教育を一つの「人の育ち」として捉え、研究と実践を結び付け、さらに次の時代を担う教員・保育者の養成へとつなげていく。これは、教員養成を使命とする奈良教育大学だからこそ担うことのできる役割であると考えております。

 そして、こうしたすべての取組の中心にいるのは、言うまでもなく、子どもたちです。
 子どもたちが、この新しい園舎で、園内の森や遊具で思い切り遊び、自然と触れ合い、友だちや教職員との豊かな人間関係を築きながら、みずみずしい感性と創造性、知性を育んでいく。そのため、何よりも安全を第一に、保護者、地域の皆様から安心と信頼を寄せていただける園であり続けるよう、大学を挙げて努めてまいります。

 私自身、本園の園児たちと触れ合う時間は、まさに「心のオアシス」です。
 以前、一人の園児が、私に、「大きくなったら学長先生になる!」と言ってくれました。その言葉は、今も鮮明に記憶に残っています。この子の夢に決して背いてはならない。その思いは、大学を預かる者としての責任を、改めて自覚する契機にもなりました。
 あの子には、50年後、本学の学長になってもらいたいと思います。そして22世紀に向けた本園の姿を描いてもらいたい。そう願っています。

 0歳から小学校入学までという、人生の始まりの、かけがえのない6年間。その大切な時期のお子様をお預かりする責任の重さを、すべての教職員が日々心に刻みながら、本学附属こども園の新たな歴史を刻んでまいります。

 最後になりましたが、本日ここに御参集いただきましたすべての皆様に、今後とも変わらぬご支援を賜りますこととともに、子どもたちの健やかな成長と幸せを心より願い、完成披露会の御挨拶といたします。

 本日は、誠にありがとうございました。

令和8年9月12日
国立大学法人奈良国立大学機構 奈良教育大学
学長 宮下 俊也