奈良教育大学学生の皆さんへ -令和4年度からの奈良教育大学について- - 奈良教育大学

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奈良教育大学学生の皆さんへ
-令和4年度からの奈良教育大学について-

 

 令和4年4月1日、奈良教育大学第14代学長を拝命いたしました宮下俊也です。どうぞよろしくお願いいたします。

 皆さんにとって、私の名前は、「コロナ対応について注意文を出していた副学長だな」として記憶されているかもしれません。この2年間、注意ばかり申し上げて心苦しく思っておりましたが、皆さんの協力や努力によって、学内での集団感染を防ぎ、入学試験も滞りなく実施することができました。あらためて深く感謝いたします。すでにお知らせしていますが、4月からはさらに対応レベルを下げて学修や研究、課外活動ができるようにしました。引き続き、感染防止を徹底した上で、人と会って話をするコミュニケーションを大切にし、楽しく有意義な学生生活を送っていただきたいと思います。

 さて、この4月1日は、奈良教育大学にとって、その歴史に刻まれる大きな転換点となりました。新しくなった奈良教育大学について、皆さんに説明いたします。

1.奈良女子大学との法人統合について

 4月1日、奈良教育大学と奈良女子大学は法人統合し、「国立大学法人 奈良国立大学機構」となりました。本学は、これまで「国立大学法人 奈良教育大学」でしたが、これからは「国立大学法人 奈良国立大学機構 奈良教育大学」となります。
 法人統合とは、複数の大学が合併することではありません。本機構は、国立の女子大学であることを最大の特色とする奈良女子大学、教員養成の単科大学として優れた教員の養成と奈良県や全国の教育の発展に尽くす奈良教育大学が、それぞれの特色、強み、独自性を保って存続します。
 その上で、法人統合することにより、両大学の強みや特色を互いに提供し合い、皆さんの学修や研究の幅を拡げることになります。また、両大学の経営においては、重なり合っているところを見直す等、効率化を図っていきます。その結果もまた、皆さんの学修や研究に還元されるものです。
 本機構のキャッチフレーズは、「大学を結う。紡ぐ知と未来。」です。皆さんからの公募を経て決めたものですが、「結う」と「紡ぐ」は、古都奈良にふさわしい語のように感じます。
 法人統合の最初の取組の一つに、「教養教育ウイーク 奈良カレッジズ学問祭」があります。すでにキャンパス内にポスターを掲示していますが、両大学の教員と、両大学に関わる一流の研究者による「一話完結型」の講義が開講され、両大学学生が共同で学び合います。また、8コマ以上を受講し、そこで得た知を繋げられたことが認められれば、教養科目「諸学への誘い」を修得したこととして単位(1単位)が認定されます。愉しく興味深いテーマが並んでいますので、パンフレットを見て、是非受講してください。
 そのほかにも、両大学の教職課程を共同運用すること、卒業論文等の研究活動で奈良女子大学の先生からアドバイスを受けたりできる仕組み、両大学によって就職を支援するなど、皆さんの期待に応えられる取組を次々と実施していく予定です。

 国立大学法人奈良国立大学機構ホームページ
 奈良カレッジズ学問祭

2.奈良カレッジズについて

 本学と奈良女子大学を核に、奈良国立博物館、奈良文化財研究所、奈良先端科学技術大学院大学、奈良工業高等専門学校等、奈良県内の高等教育・研究機関や自治体、企業、そして近隣にある関西文化学術研究都市(けいはんな学研都市)の各機関と、強い連携を築きます。その連携組織を「奈良カレッジズ」と呼び、近く実現します。
 奈良県は、他の都道府県のように国立の大きな総合大学がありません。しかし、上記のような奈良ならではの優れた実績を持つ教育・研究機関が多くあります。それらを結い、奈良から国内や世界に向けて、学術、教育、スポーツ、芸術等の発展を拡げていきます。皆さんもその一員として、持続可能な社会のつくり手として活躍していただきたいと思います。
 奈良国立大学機構機構パンフレット

3.ESD・SDGsセンターの新設について

 これまでの「次世代教員養成センター」を改編し、「ESD・SDGsセンター」が発足しました。旧次世代教員養成センターの2号館がESD・SDGsセンターになります。
 すでにご存知だと思いますが、本学はユネスコスクールとして、全国のESD(持続可能な開発のための教育)を牽引しています。皆さんが学ぶカリキュラムにもESD関連科目を必修として位置付けていますし、新しい教職大学院や修士課程も、ESDについての高い実践力を育成したり、SDGs(持続可能な開発目標)の達成を教育の面から貢献できる人材を養成したりすることで、今後も全学を挙げて持続可能な社会づくりに貢献していきます。
 ESD・SDGsセンターは、SDGsの達成に関わるESDの推進についての研究開発と実践を行うことにより、持続可能な社会の創り手の育成に寄与できる実践的指導力を持った教員の養成、学校支援及び地域支援に寄与することを目的としています。教育実習のこと、スクールサポートのこと、学校カウンセリングのことなどもESDと深く関わるものですので、このセンターが担います。
 また、今後は本センターが中心となり、世界におけるESDの研究や実践の推進を牽引していきます。皆さんの先輩や仲間には、教員を目指しながら“11th UNESCO Youth Forum”や“Teaching Together Global Citizenship for Sustainable Development (GC4SD)”等、国際的に活躍する学生が増えてきている状況も嬉しいことです。そのようなチャンスは、ESD・SDGsセンターを通して皆さんに提供します。どうかチャレンジしてみてください。
 奈良教育大学でESDを学んだことを生かし、小さなことでもよいので、身の回り、地域、日本、そして世界において、持続可能な社会づくりに貢献する行動をおこしてくれることを期待しています。
 ESD・SDGsセンター

4.情報センターの新設について

 これまで次世代教員養成センターの中におかれていた部門を統合し、「情報センター」を新設しました。このセンターは、皆さんの学修を支える情報基盤の運用、情報セキュリティの推進、情報教育に関する研究を担います。オンライン授業や全学ポートフォリオ等にも関わる学内の情報・通信環境が快適かつ安全に運用できるよう努めてくれますので、皆さんも情報に関するモラルやルールを順守するようお願いいたします。
 情報センター

5.連携教育開発センターの新設について

 これまでの次世代教員養成センター1号館入口に、「連携教育開発センター」という新しいプレートが掲げられたことをご存知ですか? このセンターは、奈良教育大学と奈良女子大学の教員と両附属学校園の教員とで組織したセンターです。ここで、教養教育のこと、教員養成のこと、情報教育のこと、附属学校園のこと、そして奈良県や全国の現職教員に対する研修のことについて、どれも未来の教育を開発していく検討が行われます。そこで計画された取組は皆さんにも還元しますので、期待してください。


 以上、新しくなった組織を中心に説明しました。
 なお、国立大学法人奈良国立大学機構の初代理事長には、榊裕之先生が就任されました。榊先生は半導体の世界的権威であり、世界に貢献する数々なご業績により、紫綬褒章を受章され、文化功労者でもあられます。また工学のみならず、日本におけるこれからの初等中等教育、就学前教育、教員養成教育に、強い期待と改革への情熱をお持ちです。本学に対するご期待は、本学HPや広報誌「ならやま」2022春号にも掲載されていますので、是非、読んでみてください。
 広報誌「ならやま」

 奈良教育大学はこれからも、「奈良教育大学ダイバーシティ・インクルージョン推進宣言」に基づき、皆さん一人一人の個性を大切にするとともに、「奈良教育大学の3つの柱」によって、質の高い教学の場を築いていきます。活躍を心より期待します。

 

令和4年4月1日
奈良教育大学学長 宮下俊也