新年のご挨拶(令和6年1月4日) - 奈良教育大学

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新年のご挨拶

 

 令和6年、2024年を迎えるにあたり、ご挨拶を申し上げます。
 本来であれば、心新たに新年を迎える喜びをわかちあうこの会ですが、元日の「能登半島地震」、そして翌2日の「羽田空港における航空機衝突事故」によって、お亡くなりになった方々、被災されたすべての方々に、まずもって心より、お悔やみとお見舞いを申し上げます。本学でも被災県出身の学生が在籍しておりますが、現在、本人やご家族の安否について確認を行っているところです。被災学生はもとより、被災地の復興支援には大学を挙げて全力で支援したいと考えております。

 本学における防災対策は、「奈良教育大学防災規則」に示されているところです。また、まもなく、1月24日には防災訓練も実施されます。本規則に示されていること、たとえば「防災管理組織」とはどのような者によって組織されているものなのか、「防火管理者」「火元責任者」「点検整備員」は誰がどのような任務を果たすのか、「自衛防災隊」はどのような組織でどのような時に出動し、どのような任務を果たすのか、等々、あらためて本規則を全構成員で読み合い、理解することが重要であると再認識しました。
 けれども、紙に書かれた規則を理解することとともに、さらに重要なことは、「もし今、地震が、あるいは今、火災が発生したら、自分はどう行動したらよいのか」をイメージとして持って生活することだと思います。私も、「防災管理に関する業務を総括する」学長として、どう行動すべきか、あらためて自分の中で整理し直したところです。
 本学の特色は、ESDとして防災や減災を考える学生と、専門を生かした有志の先生方、そして事務職員が一体となって防災訓練を立案・実行していることです。コロナ禍直前の訓練では、地域の消防団やDMAT(災害派遣医療チーム)の方からの協力も得て実施され、以前よりいっそう緊迫した行動が求められておりました。24日の防災訓練も、全学生・全教職員が一体となって取り組んでいただくようよろしくお願いいたします。またその結果は、必ず、本規則やマニュアルのチェックとしてフィードバックさせ、もし、現実や実際との乖離や不備等が確認されたならば、早急に対応していただくようお願いいたします。

 さて、本年は、期待するイベントの一つに、附属認定こども園の開設があります。すでに昨年末、大学正門横の掲示をご覧になって、開設の実感を持たれた方も多いと思います。ここに至ることができたのは、附属幼稚園の日々の実践や、大学とともにコツコツと積み重ねてきた研究が、地域や全国のモデルとなって貢献できていたことにあるのだと思います。今、附属幼稚園の正門に行くと、「ならきょういくだいがく ふぞくようちえん 96さいのおたんじょうび おめでとう」と書かれ、手作りの96本のろうそくが明るく、素敵に掲示されています。また、その横には、「妊婦とご家族・パートナー対象 奈良教育大学附属幼稚園 カムカムベビーフェア。ひとりめ、経産婦問わず大歓迎。手作りおもちゃのおみやげがあります」と書かれた、出産前支援のためのポスターも貼られています。乳児に対する「教育」、出産や子育てに不安を抱える妊産婦やパートナー支援、幼稚園・保育所・こども園の先生方に対する研修、そしてその養成を通じ、我が国の少子化という大きな課題に歯止めをかけるためにも、引き続き努力を重ねて参りたいと思います。

 附属に関しては、これも年末、嬉しいニュースがありました。
 12月18日から20日にかけて行われた「国連ユネスコのESD-Net 2030 グローバル会議」において、附属中学校の西井理梨さん、德永多美さん、そして有馬一彦先生が、「ESD Inquiry-Based Learning for Different Grade Groups on the Ancient Capital Nara」と題して、「奈良巡り」の取組を立派に発表されたことです。発表の最後に、二人が声を合わせ、「We will keep learning. For a sustainable world.」と述べたことに対し、参加者から大きな拍手がわいたそうです。また、これを機に、マルワラ国連大学学長が本学に来学される計画も立ち上がり、2月17・18日に行われる「ESD・SDGsセンター国際シンポジウム」とともに、本学ESDの国際的推進に弾みがつきました。

 科学館構想も、機構の経営協議会や「なら産地学官連携プラットフォーム」などで少しずつオープンにし、意見をいただいたり、今後のご協力をお願いしたりしております。大きな夢の実現に向けて、ともに頑張りましょう。

 大学全体にとって、財政的な課題に対しては今年も引き続き立ち向かっていかなければなりません。12月の教授会でもご意見いただいた、今後の学内人事計画については、拡大教育研究評議会や、拡大執行役会の形を取りながら、一人でも多くの教職員のお知恵をいただけるよう、取り組んで参ります。

 最後になりますが、奈良教育大学教職員、お一人お一人にとって、令和6年が平和で幸せな年になりますよう、そして健康で、生き生きとご活躍されることを願い、新年のご挨拶といたします。

令和6年1月4日
奈良教育大学 学長  宮下 俊也