平成28年3月25日、奈良教育大学講堂において、平成27年度卒業式及び修了式を挙行しました。
加藤久雄学長からは、「それぞれの自尊心と周囲への感謝の心をもって、大きく社会へ飛び立ってください。」とエールが送られました。
卒業生、修了生の皆さん、おめでとうございます。
本学で得られたものを生かしご活躍されることを、心よりお祈りいたします。
【卒業・修了生】
告示を述べる加藤学長 式典会場付近の様子
■ 学長告辞
本日ここに、長友前学長先生をはじめ、名誉教授の先生方、後援会・同窓会の会長様、ご臨席のもと、また、多数のご家族、並びに関係者の皆様にご参加いただき、奈良教育大学 平成27年度 卒業式及び修了式を挙行できますことは、奈良教育大学教職員の大きな喜びであります。
教職員を代表して、卒業、修了される皆さんに、心よりお祝いを申し上げます。おめでとうございます。
また、ご家族や関係者の皆さまにもお祝い申しあげますともに、多数ご出席いただいきましたことに感謝申し上げます。ありがとうございます。
さて、本日、教育学部を卒業される方は263名、大学院教育学研究科を修了される方は64名、また、特別支援教育特別専攻科を修了される方は12名、以上、339名の方々が、本日の晴れの日を迎えられました。
各人の奮闘努力の結果であります。まず、そのことに、「いろいろ頑張ったな」と自分で自分自身を褒めてください。その自尊心を心に刻んで大切にしてください。
それとともに、今日の日を迎えられたことが、ご家族や学友の支援、教職員のご指導あってのことと、本日、改めて、「ありがとうございました」と心に留めてください。
この2つの心をもって、この学舎から、大きく、社会に飛び立っていってください。飛び立っていく先は、それぞれ違いますが、この2つの心をいつまでも大切にして歩んでいけば、それぞれの地での大いなるご活躍が待っているかと思います。
どうか、ここまで歩んで来た自分自身に誇りと自信をもって、背筋を伸ばして前に進んでいってください。
さて、昨年秋、10月5日に、大村智 北里大学特別栄誉教授がノーベル生理学・医学賞に選ばれました。また、その翌日の6日には、梶田隆章 東京大学宇宙線研究所所長が、ノーベル物理学賞に選ばれました。この2日続けての朗報に日本中が沸きました。日本の大学の研究水準の高さを、私も大学人のひとりとして、心強くまたうれしく思いました。
新聞、テレビは、お二人がいわゆる地方の大学のご出身であることを、大きく取り上げました。奈良教育大学も地方の大学ですから、中央中心のこの社会の中で、大変心強く感じました。地方の時代が来た、地方創生と言われる時代が来た、と感じたわけです。
10月からこの学長の任につきました私は、このことをある著名な研究者との対談の機会にお話しましたら、「それはちょっと違う」と言われてしまいました。
その方は、ノーベル賞受賞者は、皆、小学校、中学校で学び、そこを卒業していることに目を向けるべきだ、ノーベル賞受賞者の方々は、その小学校、中学校できっとすばらしい「学び」、ただ知識を蓄積するだけの学びではない「学び」を体験され、それがノーベル賞につながったのではないかと、述べられました。
奈良教育大学は、その小学校や中学校の先生を育てている大学なのだから、奈良教育大学は、ノーベル賞受賞者を育てている大学なのですよ。そのようなご指摘でした。
ここに、私は2つのことをみなさんと共有し、大切にしたいと思うのです。
そして、先に申し上げた
この4つを、みなさんを送る言葉としたいと思います。また、地方の大学、大きい大学、小さい大学と言うことではなく、「教育の大学」、「教育大学」を母校とすることをいつまでも大切にして歩んで行ってください。以上、告示とさせていただきます。
平成28年3月25日 奈良教育大学長 加藤 久雄