奈良女子大学中等教育学校・大和ハウス工業株式会社との連携講座『住まいとくらしをSDGsの視点から考える』を開講しています。 公開日  :  2022-05-11 16:50

新着情報

 奈良女子大学中等教育学校・大和ハウス工業株式会社との連携講座『住まいとくらしをSDGsの視点から考える』は、奈良女子大学中等教育学校と本学、大和ハウス工業株式会社が連携して実施するもので、奈良女子大学中等教育学校の生徒が選択授業として受講しているものです。
 1学期は「これからの社会の価値観~SDGsとは」本学の教員が全10回の授業をオムニバス形式で担当し、講義やフィールドワークなどを通じて、これからの社会にとって必須の価値観である「持続可能な社会づくり」のためのキーワードを伝えていきます。2、3学期は「これからの住まい・くらしを創造する」大和ハウス工業株式会社やその関連企業のサポートで、グループごとに、アイデアづくりや様々な作品制作を行います。

授業の目的

  • SDGsに対する理解を深め、国連システムや国際社会といった広い視野からとらえる。
  • 持続可能な社会の創り手に必要な価値観を理解し、それに基づいて身近な課題を判断する。
  • 地球的諸課題と身近な課題や自分のライフスタイルを関連付けて捉え、課題解決に向けて行動化しようとする態度を育てる

 

 第3回の5月11日(水)は、『ESDの学習理論2(ナッジ、ソマティック・マーカー仮説)』と題して、人々の行動の変革を促す方法をテーマに本学ESD・SDGsセンター長の中澤静男教授が授業を行いました。

 授業では、はじめに参考として厳罰主義、ナッジについて説明した後、ESDの「その人が意識して自ら選択してよい行動をとることが出来るように教育する」という考え方についてソマティック・マーカー仮説に関連付けながら解説しました。
 ソマティック・マーカー仮説とは、アメリカの脳神経科学者であるダマシオが提唱している仮説で、生存の可能性に関係する刺激に対しては、脳内にソマティック・マーカーという信号が発せられることで情動が生じ、気づき(敵やエサの発見)や行動化(逃避や探索)を促すという仮説です。中澤教授はこれをESDに援用し、個・種としての生存可能性を高めるとは、人間に当てはめると持続可能な社会を創造していくことであるという理解から、持続可能な社会づくりに関する脳内信号を発するソマティック・マーカー装置を育てることが重要であると述べています。


 授業の後半にはESDの基本的な学習過程の初段階である「自分自身の身の回りにある持続不可能な社会状況に気づく」ためのソマティック・マーカーのテストとして、

  • 同じトイレットペーパーであれば、10個350円のものと5個200円のものとどちらを買うべきか?
  • (12月後半のスーパーのチラシを見せて)この中で買わない方が良いものはどれか?
  • (土用丑の日のチラシを見せて)ウナギ(特大)1580円、中国産ウナギ(特大)980円、江戸川ウナギ2280円などの中からどのウナギを買うか?もしくはどれも買わないか?

などの発問がありました。生徒たちは個人で考えたのちにグループで意見を共有しました。自分自身の生活と結びつけて出た意見に、お互いにうなずき合う場面もみられました。
 中澤教授からは、価格での比較といった経済的な価値観のみでなく、買い物のための移動や商品の生産・輸送にかかるエネルギー、絶滅危惧種の問題など様々な視点の知識を持ち、より持続可能な選択肢を自分自身で考え、行動する力の大切さを伝えられました。

 今後の授業では、ESDに関する歴史やESDと海洋教育・防災教育との関連性などを学んだ後、奈良町や春日山原始林でのフィールドワークを行う予定です。

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最終更新 : 2022-05-12 10:52