国際理解教育演習Ⅰ(英語教育講座 佐藤臨太郎)

奈良教育大学
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国際理解教育演習Ⅰ(英語教育講座 佐藤臨太郎)

 今月の『奈教の授業』では、「国際理解教育演習Ⅰ」を紹介します!

講義の基本情報〉
 ・対象学年:英語教育専修2回生必修科目

 ・受講者数:22名+留学生3名(令和2年度)

どんな授業?

 英語教師として必要な「異文化」「国際」理解を深め、広い視野、公平・正当な判断に基づく自分の意見をしっかりと英語で述べることができ、「国際理解教育」に関して授業設計し、模擬授業ができるようになることを目指します。本学ではESD、持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development)を特色ある教育活動の一つとして取り組んでいます。この持続可能な社会の実現のためには、未来を担う生徒達に、グローバルな課題と自分との「かかわり」を見出し、自分事化し、課題解決に向け、自分にできること考え、行動する能力を身に着けさせるために充実した「国際理解教育」を行うことが求められます。この授業ではそのための能力・技術・知識習得を目指していきます。

授業の流れ

第1回~第7,8回

 授業の前半7、8回は、国際理解に関する英語のテキストを読み意見交換をし、さらに毎回、4名の学生がトピックに関連するテーマをリサーチし英語でプレゼンテーションを行い、その後全体でディスカッションします。
 使用言語は基本的にすべて英語です。その一番の理由は、英語教師として不可欠な高度な実践的英語運用能力を身に着けるということにありますが、実はもう一つ大きな理由があります。それは、この授業には、海外からの教員研修留学生が参加してくれているということです。
 昨年度は、フィリピン、ブラジル、ミャンマーからの留学生、過去には韓国、中国、スーダン、カンボジア、ブータン、タイ、東ティモール等からの教員留学生が受講してくれました。彼女たちは本学で研究を行うため母国から国費で派遣されてきた優秀な教員ですので、教師の立場からも、様々なアドバイスを学生たちに与えてくれます。
 学生は最初は教員留学生の高度な英語力や知識量、考えの広さ・深さに圧倒されるのですが、ディスカッションを通じて徐々に慣れ、大きな学びを得ています。話される英語も各国の訛りのある独自の英語で、ネイティブの英語を唯一の基準とはしないという「国際英語」の重要さを学ぶことになります。
 また年度により、アメリカやフランスの協定校から留学中の学部生も参加してくれ、まさに国際色豊かな学びの場になっています。

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授業の様子

第8,9回~第15回

 授業後半はテキストの学習に加え、これも毎回4名程の学生が模擬授業を行います。教師が一方的に知識を与えるのではなく、生徒が考え、気づき、活動を経験して学ぶことのできる授業展開が求められます。英語での「発見型」授業実践は必ずしも容易ではありませんが、失敗からも多くを学んでいます。教員留学生も毎回エキサイティングな模擬授業を見せてくれ、学生は興奮ともに多くを学んでいます。

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教員研修留学生の模擬授業の様子

担当教員よりメッセージ

 この授業だけで高度な英語力、質の高いESDの理念にも基づく国際理解教育の授業実践能力が身につくわけではありません。皆さんの不断の地道な努力が必要です。そのための大きな幹となる柱をこの授業を通じて立てて欲しいと思います。 I'm looking forward to seeing you!

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 英語教育講座
 教授 佐藤臨太郎

 ※この記事は、2021年5月現在の情報をもとに作成されています。

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カテゴリ   :   奈教の授業
最終更新 : 2022-02-28 16:58